マンション適正評価制度とマンションの今後の課題
管理業協会のマンション管理適正評価制度(6段階評価)は、2023年6月30日現在で1359件となっている。2025年3月末時点で1万件を目標としている。全国のマンションの棟数は推定400万棟と言われているが、その数からすると認定制度も評価制度も適用数がまだあまりに少ない。
全管連各会員は、各地で両制度の説明会・セミナーや具体的な認定手続き支援をおこない、積極的に認定や評価を得るよう援助を行なっている。
管理不全マンションの問題も顕在化していきている。会員以外の相談では、やむをえず第三者管理を取り入れざるをえない場合も出てきている。
マンション管理業協会の昨年の調査で、第三者管理を受託する管理会社は103社あり、一方、国土交通省が今年2~3月に管理会社45社に実施した調査では、45%が大規模修繕工事などを自社と関係する会社が「受注している場合がある」と答えた。担当者は「利益相反の面から問題になりうる」と話す。
それらの問題点を解決する仕組みが必要になってきている。マンションの管理会社が管理組合の理事会の機能を担う「第三者管理」に関し、国土交通省は指針を策定し、8月中にも公表するとしている(日本経済新聞2023年7月24日)。
当会の会員には、もともと第三者管理に反対で、マンションは管理組合が自立して運営するのが当たり前との認識が圧倒的に多く、そのための支援活動を行なっている。
一方で、高齢化など様々な要因で、やむを得ず管理を第三者に委託する場合に、利益相反(自己)取引などで、マンション住民が不利益を被らない制度作りは、急いで行わなければならない。
区分所有関係の解消として、「建物取壊し敷地売却」と「建物・敷地の一括売却」の二つがある。現在は自治体の要除却認定を受けなければならない。耐震性不足47件、その他(外壁・火災・給排水管・バリアフリー)が3件(2022年12月時点国交省発表)で、耐震性不足が94%となっている。
建替えが難しい以上、最終的にはこの二つの制度を利用することになる。