公費解体へ前進 熊本、第ニ京町台ハイツ

2017.07.21 防災の取り組み

ピロティ形式のマンションで、建物全体が大きく傾き、昨年の熊本地震におけるマンション被災を象徴する第2京町台ハイツ(熊本市中央区)の管理組合(松本一理事長)の通常総会が15日、市内で開かれた。区分所有者41名の内、書面決議書を含め39名が出席、公費解体の申請手続きに必要な全員合意は実現できなかったが反対者は1名だけになり、管理組合は、見通しがついた、としている。

マンションは、昨年12月、解体決議が成立、管理組合は、建替えは断念した。解体費用が掛からない公費解体制度の申請を決め、市と交渉してきた。 市も建物の調査を終えているが、建物解体と同時に、個人所有物の処分が必要で、このため事実上全員の同意が求められる。41名のうち、2名が行方不明などで同意が取れなかったが、今年になって、1名から同意を得た。しかし、1名が建物解体は同意したものの、私有物の整理には、時間がかかるとして同意していない。

この日の総会で管理組合は、第4号議案で、建物解体後の運営主体として、一般社団法人の設立を提案、賛成多数で決議された。社団法人にすることで、管理組合の残余財産を移行、当面の費用の確保とスムーズな運営を図れるとした、管理組合は解体後、敷地売却を予定しており、売却の契約は法人で可能となる。既に、大手デベロッパーなど8社から購入の意向が持ち込まれているとされ、売却は可能という。松本一理事長は「1名の賛成が得られないが、法的な措置も視野に入れており、遠からず解決できるのではないか」と見通しを話している。

同マンションは、昨年4月16日の本震で、7階建ての建物全体が、大きく傾き、1階ピロティ形式の駐車場がつぶれ、柱も鉄筋がむき出しになるなど座屈した。開放廊下の床は、大きく波打ち、玄関ドアもひしゃげた。15日の総会後、住民が数名、危険を押して部屋に入り、衣類などを持ち出している姿があった。「来て見ると余りの被害に胸が痛くなる。部屋も傾いていて、暫くいると気分が悪くなります」とある女性は話していた。
1年3か月たって、建物の傾きは増しているようで、駐車場に閉じこめられたままの車の屋根は、梁に押しつぶされるようになっていた。大きな余震が襲えば、建物が近隣に倒れるなど、被害も予測され、早期解体は、公的課題といえる。

(全管連会長 川上湛永)

通常総会で、4号議案に賛成の手を挙げる出席者
閉じ込められた車に迫る、天井の梁
大きくうねる開放廊下、玄関ドアもひしゃげたまま
部屋の中で、荷物を探す被災した住民
持ち出せなった家具を手で触る住民
ゆがんだ建物全体は傾きを増していた