今回の最高裁判決について、全管連としての考えをまとめました。今回の最高裁判決は、マンション管理組合の団体としては、「内部自治」の問題ととらえています。 理事長の解任は、これまで、各地でしばしば起きてきました。 各マンションの管理規約で、「理事長は理事とともに総会で選出する」趣旨の規約であれば、理事長は総会で選出・解任することになります。 一方、「理事は総会で選出し、理事長は理事の互選で決める」との標準管理規約どおりの規約であれば、理事会で理事長の解任もできる、というのが今回の最高裁の新しい判断です。 ただし、理事長職の解任は理事会でできても、理事の解任は、総会でしかできません。ある管理組合連合会で相談を受けた事例では、理事会で理事長を解任された理事長は、理事についても辞意を表明し、その後理事会を欠席し次の総会を待つという事例がありました。 今回のケースでは、一審・二審では、標準管理規約どおりの規約であれば、特に解任の規定がないので、理事会では解任はできず、総会でしか解任できないとの判決でした。 争いを避けるためには、最高裁判決のとおり理事会で理事長を解任できることを、総会で管理規約を改正して明確にすることが望ましいと思われます。 ただ、理事長解任にいたるには、その前段階において、理事会内で対立する問題が発生していることが推測されます。その問題は理事会内の多数決で決することができますし、通常はその段階で問題は解決されると思います。それでも理事長の解任にいたるには、マンション内のコミュニケーションが不足しているといえるかもしれません。 さらに、マンション住民の高齢化の問題も配慮しなければなりません。高齢化で理事のなり手が減り、理事会の成立さえ困難という管理組合も出てきました。ましてや、理事長のなり手は、しだいに減ってきています。ほとんどのマンションは、理事は輪番制という方式をとっています。理事のなり手がいないのも一つの理由となっています。今回の判決は、理事会での決断を優先するという意味では理解できますが、乱用は避けるべきだと考えます。 理事は、区分所有者10人から15人にひとり選ぶ、と標準管理規約コメントで指摘されています。12人くらいの理事会が多いようですが、少ない人数で構成されているということは、理事長解任に必要な多数派工作が容易であるともいえます。解任は過半数決議です。 そのうえで、全管連としては、マンション内の紛争を未然に防止するため、日頃の粘り強い広報と時間をかけた相互理解、コミュニケーションを形成する努力が必要であることを強調したいと考えます。また、理事長が独善、独断に走らないことは当然です。 今回の最高裁判決を契機に、理事長、そして理事がしり込みすることなく、マンションのためにいい仕事をする、さらに住民がそれを後押しすることが求められていると思います。 | |
(全管連会長 川上湛永) |
マンションの大規模修繕で、設計コンサルタントが、法外に安い見積もりで、 設計監理を請け負い、その裏で施工業者などから裏金(バックマージン)を受け取る問題は、長年の建設業界の悪しき慣行といわれていますが、マンションの大規模修繕にまで及んできたのは、衝撃です。裏金の代償に、施工業者は部材ランクを下げる、手抜き工事に走るなど管理組合につけが回ってきます。今年、国交省も対応に動きましたが、地下水脈のように、断ち切れていないようです。不適切コンサル問題だけでなく、不適切工事を含めて、管理組合からのメール相談を受け付けます。極めて悪質なケースは、この全管連ホームページ上で、公開します。 | |
(全管連理事会) |
住宅宿泊事業法が成立したのを受けて、管理組合では、民泊を禁止する理事会決議を出した管理組合が次々と現れてきた。国交省などが、禁止しようとする管理組合は、民泊を事業として始める区分所有者などが都道府県に事業の届け出を始める来年3月15日までに理事会、総会で禁止する決議(いずれも過半数)を行い、住民に知らせることが必要、としているが、民泊に危機感を抱く管理組合が動き始めたとみられる。 9月に理事会を開き、民泊禁止決議をした伊勢原市の管理組合は、「都心からは離れているが、牧歌的な環境に惹かれる旅行者もあると聞いて、早めに対応しました」と副理事長。12月3日に臨時総会を開き規約改正案を審議する予定だ。 11月に、理事会決議をしたのは横浜市旭区の団地。民泊禁止にしたら、ホームステイを受け入れなくなる心配がある」とする理事の発言もあったが、論議の上、禁止決議を行い、マンション玄関に決議内容を貼りだした。 横浜市緑区の団地では、11月初めに理事会決議をして、全戸配布の広報紙に決議内容を書き込んだ。来年の5月総会で、規約改正を行う予定だが、理事会決議をしておけば、3月15日はクリアできる。「その間、じっくり住民に民泊問題を考えてもらう」としている。 一方、公益財団法人マンション管理センターは、マンション管理センター通信11月号に、住宅宿泊事業の禁止を考えている管理組合の皆様へ、として、チラシを折り込んだ。 「住宅宿伯事業を禁止するのであれば、届け出が開始される前(来年3月14日まで)に管理規約の改正を行っておくことを、お勧めしますと記している。 民泊新法では、来年3月15日から、民泊事業者の都道府県への事業届け出がスタートすることから、慎重を期して一日前の14日の規約改正をという配慮とみられる。チラシでは、届け出が開始される前に、規約改正が間に合わない場合は、少なくとも総会あるいは理事会において、住宅宿泊事業を禁止する旨の決議をしておくことが必要です、と書いている。 また、マンション管理センターでは、9月から11月にかけ、東京、大阪、名古屋、札幌、福岡等全国7都市で計10回、民泊の理解を広まるため、セミナーを開いた。各会場とも満員だったが、それだけ マンション住民にとってわかりにくい制度でもあるといえる。 セミナーで使用されたテキストが、マン管センターのホームページに、一部修正されてアップされている。 http://www.mankan.or.jp/01_seminar/pdf/20171030minpaku.pdf | |
(全管連会長 川上湛永) |
日本マンション学会は、11月11日(土),被災地熊本・熊本大学で、被災マンションの復興を考察するシンポジウムを開く。熊本市との共催で、後援は、全管連、日本マンション管理士会連合会、マンション管理業協会、熊本大学、朝日新聞熊本総局。NHK熊本放送局、熊本放送。
熊本地震から1年半余がたったが、全壊19棟のほか、一部損など600を超えるマンションが被災した。被災の大きさに、管理組合の対応が追い付ないなどで、復旧は遅れている。 こうした現状を踏まえ、シンポでは、熊本県マンション管理組合連合会の稲田雅嘉副会長、古賀一八福岡大学教授が、被災マンションの復旧工事の実際を報告するほか、萩原孝次・宮城県マンション管理士会副会長、久保依子・大和ライブネクスト部長の救援状況の報告、折田泰宏・マンション学会・熊本地震特別研究委員会委員長、小林秀樹・マンション学会元会長・マンション解消制度特別研究会委員長が、それぞれの研究成果を発表する。 昨年4月の熊本地震以来、マンション学会では、現地でのシンポジウムを計画してきたが、現地での協力態勢などが整い、ようやく実現した。 入場は無料。熊本大学黒髪北キャンパス、全学教育棟C301教室が会場。大学正門から、熊本大学の学生などが、会場案内する予定。 参加申し込みなどは、 マンション学会のweb,参照。 http://www.jicl.or.jp/newslist/ | |
(全管連会長 川上湛永) |
国交省は8月29日、全管連等マンション関係団体に、マンション標準管理規約の改正について、住宅局長名で通知を出した。住宅宿泊事業法(民泊新法)が来年6月に施行が決まり、民泊について管理組合ごとに、管理規約を改正し、禁止または容認を明確化することが望ましい。としている。特に、民泊新法では、民泊事業を始める場合には自治体に出す宿泊事業の届け出手続きの規定の施行は、公布の日(本年6月16日)から、9カ月以内とされ、遅くとも来年3月15日から事業の届け出が開始される。管理組合においては可及的速やかに民泊を許容するか否かを、管理規約上に明確化されるよう周知について特段のご配慮をお願いいたします、としている。管理組合では、来年5月の通常総会で、議論して結論を出す準備を進めていたところもあるが、そこまで待てない事態となる。
管理規約の改正は、総会で4分の3の賛成が必要で、ハードルが高い。民泊問題に関心が薄い場合、欠席者が多くなると、議決が成立しない場合も予測される。6月の民泊新法を討議した国会で、理事者側から示された「理事会決定でも可能とする」という配慮が求められる。 民泊新法に伴う標準管理規約改正については、7月に国交省ホームページに管理規約の改正について、実施する場合、禁止する場合として、標準管理規約第12条の改正例が示されていたが、具体的なコメント(解説)が1か月以上明示されないままになっており、関係者からは疑問の声が上がっていた。今回、ようやくコメントも示された。 コメントの中で、専有部分を届け出を行って営む住宅宿泊事業に使用するか否かを使用細則で定めることができる、とされた。 また、民泊そのものではなく、広告掲載等を禁止する旨を明確にするため、「区分所有者は民泊に使用する用途で使用することを内容とする広告の掲載その他の募集又は勧誘を行ってはならない」のような規定を置くこともありうる、としている。 さらに、いわゆる「家主居住型」、の住宅宿泊事業のみ可能とする場合、また いわゆる「家主同居型」のみ可能とする場合の例も示している。 また、新規分譲時の原始規約等において、住宅民泊事業の可否を使用細則に委任しておくこともありうる、と解説している。 | |
・マンション管理規約の改正について 国交省通知 | |
・住宅宿泊事業に伴うマンション標準管理規約の改正概要について | |
・マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント (民博関係改正) | |
(全管連会長 川上湛永) |
ピロティ形式のマンションで、建物全体が大きく傾き、昨年の熊本地震におけるマンション被災を象徴する第2京町台ハイツ(熊本市中央区)の管理組合(松本一理事長)の通常総会が15日、市内で開かれた。区分所有者41名の内、書面決議書を含め39名が出席、公費解体の申請手続きに必要な全員合意は実現できなかったが反対者は1名だけになり、管理組合は、見通しがついた、としている。
マンションは、昨年12月、解体決議が成立、管理組合は、建替えは断念した。解体費用が掛からない公費解体制度の申請を決め、市と交渉してきた。 市も建物の調査を終えているが、建物解体と同時に、個人所有物の処分が必要で、このため事実上全員の同意が求められる。41名のうち、2名が行方不明などで同意が取れなかったが、今年になって、1名から同意を得た。しかし、1名が建物解体は同意したものの、私有物の整理には、時間がかかるとして同意していない。 この日の総会で管理組合は、第4号議案で、建物解体後の運営主体として、一般社団法人の設立を提案、賛成多数で決議された。社団法人にすることで、管理組合の残余財産を移行、当面の費用の確保とスムーズな運営を図れるとした、管理組合は解体後、敷地売却を予定しており、売却の契約は法人で可能となる。既に、大手デベロッパーなど8社から購入の意向が持ち込まれているとされ、売却は可能という。松本一理事長は「1名の賛成が得られないが、法的な措置も視野に入れており、遠からず解決できるのではないか」と見通しを話している。 同マンションは、昨年4月16日の本震で、7階建ての建物全体が、大きく傾き、1階ピロティ形式の駐車場がつぶれ、柱も鉄筋がむき出しになるなど座屈した。開放廊下の床は、大きく波打ち、玄関ドアもひしゃげた。15日の総会後、住民が数名、危険を押して部屋に入り、衣類などを持ち出している姿があった。「来て見ると余りの被害に胸が痛くなる。部屋も傾いていて、暫くいると気分が悪くなります」とある女性は話していた。 1年3か月たって、建物の傾きは増しているようで、駐車場に閉じこめられたままの車の屋根は、梁に押しつぶされるようになっていた。大きな余震が襲えば、建物が近隣に倒れるなど、被害も予測され、早期解体は、公的課題といえる。 |
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(全管連会長 川上湛永) | |
通常総会で、4号議案に賛成の手を挙げる出席者 | |
閉じ込められた車に迫る、天井の梁 | |
大きくうねる開放廊下、玄関ドアもひしゃげたまま | |
部屋の中で、荷物を探す被災した住民 | |
持ち出せなった家具を手で触る住民 | |
ゆがんだ建物全体は傾きを増していた |
昨年11月、マンションリフォーム技術協会( MARTA)は、会報で、工事業者から計画的、組織的にバックマージンを受け取る不適切コンサルタントが横行し、ユーザーであるマンション管理組合に経済的な損失を与え、工事の品質にも影響しているとして、不適切コンサルタントの問題を提言したが、7月1日発行の会報26号で、一歩進めて「クリーンコンサルタント宣言」を公表した。 | |
(川上湛永・全管連会長) | |
クリ-ンコンサルタント宣言 (宣言文pdfはこちら) マンション管理組合の正当な権利を守り、改修業界の適正な発展のために、私たちはクリーンなコンサルタント(設計事務所)であることを宣言いたします。 管理組合に不利益となる行為(不合理な業者指定や談合幇助など)を行い、関係者から見返り(バックマージン等)を受けるような、コンサルタントとして倫理に反する行為は一切行いません。」 平成29年7月1日 宣言は、前号ではMARTA 単独宣言だったが、公益社団法人日本建築家協会(JIA)関東甲信越支部メンテナンス部会、マンション・ユニオン保全設計協同組合(MU),建築再生総合設計協同組合(URD) が、新たに加わった。 志を一つにする団体なので、共同宣言に参加していただいた、とMARTAの柴田幸夫会長は、話している。この4団体を中心に、近く、マンション改修設計コンサルタントの新たな組織を設立させる、と同氏は明かしている。一部、重複するメンバーはいるが、「同じ目的の仕事なので、団結してやってゆきたい」と強調している。 26号の会報では、昨年11月の提言以降、同協会に寄せられた管理組合などの声が特集されているが、一部を紹介する。 管理組合役員A氏 「私は、現在、組合の監事をしています。平成23~25年の4年間、修繕委員をしておりました。コンサルタントは、組合が素人であり、100%ばれないと思って、塗装、シーリング、防水工事,排気フード等の修理を水増しして工事費を提案して、組合に損害を与えました。住宅リフォーム・紛争処理センターに問い合わせたところ、コンサルタントは背任であるといっていました。その会社は数年前、小さな会社でしたが、現在では同業では大手の会社になっていると聞いています。このような会社はコンサルとしての資格がありません。まじめなコンサルは受注が困難になります」 管理組合役員C氏 私は、管理組合役員で、最近第1回目の大規模修繕工事を完了したところです。MARTA会報の提言については、複数業者(一級建築士、施工業者、業者斡旋業者)から、同様のことを聞いていたので、まったく同感であり、このような文書で問題にされたことに敬意を表します。私のところのコンサルタントと施工業者、それぞれの選定には問題はなかったと考えているのですが、知人のマンションで、最近、実施した大規模修繕工事では、提起されたと同じ、コンサル―業者の談合があったようです。これは先述の複数業者から指摘された、いわくつきのコンサル数社の一つでした。落札した施工業者は、そのコンサルタントとよく組んでいることで有名とのことでした。実際、200戸規模のこのマンションの工事落札額が約200万円(戸当たり)と平均的な工事単価の2倍程度になっていることからも裏付けられます。問題は、このような悪徳業者の餌食になっているにもかかわらず、知人もそのマンション住民も気付いてもいないということです。そのマンションには、建築を職業とする住民もいるということですが、疑問を抱かないのは不思議です。あるいは、一部の住民も、この談合に加担しているのではないか、と疑っています。 さて、今回の問題提起は意義あることとは思いますが、重要なのは、このような悪しき仕組みを根絶する方法、悪徳業者を見分け、追放する方法を示していただきたいということです。悪徳業者を公表することはできないでしょうか。どこかでルールを定めないと、多数の一般人が高額の不利益を被ることになってしまいます。今回の問題提起から、次の段階として、問題解決の方法をぜひ、提示して頂きたいと思います。 |
北海道管理組合連合会は、6月30H、5月に会員管理組合を対象に実施した民泊に関するアンケート結果をまとめた。370組合のうち184組合が回答、したが、民泊を認めない管理規約を定めたが46組合(25%)あった一方、民泊を認める規約を作る予定の組合が8組合(4・3%)あった。一方、違法民泊があった6組合の対応は、保健所、警察、弁護士、マンション管理組合連合会などに相談した例などがあった。 全管連では、今後、各地の連合会が調査した事例などをまとめ、公表交渉する予定にしている。 |
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分譲マンションにおける民泊アンケート 2017年5月 公益社団法人 北海道マンション管理組合連合会 全会員総会の出欠連絡返送分 226通のうち アンケート返送分 184通(81.4%) 次の質問に数字か文章で回答するか、どれかを○で囲んでください。 Q1.あなたのマンションは西暦で何年に建築されましたか? 西暦 年 旧耐震基準の1081年以前(築36年以上) 62件(33.7%) 新耐震基準の1082年以降(築35年以前) 111件(60.3%) うち ・1999年以前 87件(47.3%) ・2000年以降 24件(13.0%) ・記入なし 11件(6.0%) Q2.あなたのマンションの戸数は何戸ですか? ・ 30戸以下 28件(15.2%) ・ 31戸~50戸 50件(27.2%) ・ 51戸~100戸 54件(29.3%) ・101戸~150戸 27件(14.7%) ・ 151戸以上 24件(13.1%) ・ 記入なし 1件( 0.5%) Q3.あなたのマンションの階数は何階ありますか? ・5階以下 46件(25.0%) うち 5階 22件(12.0%) ・6~11階 102件(55.4%) うち10階 21件(11.4%) うち11階 33件(17.9%) ・12階~19階 34件(18.5%) うち14階 21件(11.4%) ・20階以上 2件(1.1%) Q4.あなたのマンションはJR・私鉄・地下鉄駅から徒歩で10分以内ですか? ハイ 105件(57.1%) イイエ 78件(42.4%) 記入なし 1件(0.5%) Q5.あなたのマンションの入口にオートロック装置はありますか? ハイ 98件(53.3%) イイエ 81件(44.0%) 夜間のみ作動 4件(2.2%) 記入なし 1件(0.5%) Q6.あなたのマンションでは民泊が行われた住戸がありますか? A6.過去に行われたが現在はない 5件(2.7%) 現在おこなわれている 1件(0.5%) 行われたことがない 177件(96.2%) わからない 1件(0.5%) *「行われたことがない」の回答の中に、「民泊を行おうとした区分所有者 がいたが、管理会社がおことわりした。」と記入した回答が1件あった。 Q7.民泊を認めるか、あるいは認めない管理規約を作っていますか? A7. ・認める規約がある 0件(0%) ・ 認めない規約がある 46件(25.0%) 「認めない規約がある」と言いながら、次のQ8で認めない規約を(さらに)つくると回答しているものが21件(11.4%)あった。 …その中には、次の文章が手書きで記入されていたものがあった。 * 民泊を認めないと明記する。 * さらに検討中 * 直接「民泊」と記入していないが、「住宅として使用する以外は 使用を認めない」との文章がある。 * 民泊を認めない規約を作る予定です。 * 民泊禁止を徹底する。 * 「民泊」を明記する。 * 本年総会で規約改訂予定 * 「専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」との規定がある。 * より明確な条文で禁止を規定する予定。併せてシエァハウスも禁止する予定。 * 追加条項を考えている。 どちらもない 116件(63.0%) 回答なし 1件(0.5%) *以上のアンケート結果から標準管理規約12条の「専ら住宅として使用」があるので、民泊を認めない規定があると理解している理事長が少なくとも21件はあると考えられる。 Q8.今後、民泊を認めない規約を作る予定がありますか? A8. ある 55件(29.9%) ない 89件(48.4%) うちQ7で「認めない規約がある」と回答したもの20件 検討中・わからない 7件(3.8%) 回答なし 33件(17.9%) *民泊を認めない規約を作る予定がないとした理事長が半数ほどいる現実を 改めて認識し、規約改正を進めるよう周知する。同時に、現在の規約だけでも民泊を排除できる取り扱いが重要と考えられる。 Q9.今後、民泊を認める規約を作る予定がありますか? ある 8件(4.3%) ない 153件(83.2%) 回答なし・分らない 23件(12.5%) *なお、Q8・Q9両方に「ある」と回答したのが7件あったが、それらのうち、Q8で「ない」と回答したのは1件だけだった。 つまり、民泊を認める規約を考えているのは1件だけと推測される。 以下は、民泊が行われたことがあるマンションだけお答えください Q6で、行われたことがある5件・現在行われている1件・行われたことがないが事前に断念させた1件の合計7件のうち、行われたことがあると回答しながら、Q10以下の回答がない1件を除く6件を対象とする。 Q10.区分所有者などから民泊を行うとの通知が管理組合にありましたか? A10. あった1件 なかった5件 Q11.あなたのマンションの民泊は、合法民泊でしたか? *合法民泊とは①簡易宿所の許可、②特区民泊、③イベント民泊を言う A11. ハイ イイエ6件 わからない Q12.あなたのマンションの民泊は、区分所有者か賃借人が在住しながら行われたものですか、それとも不在の住戸で行われましたか? A12. 在住1件 不在4件 わからない1件 Q13.民泊をやめさせるために、規約改正以外に何をしましたか?(複数○可) A13. 保健所に相談した2件 市役所に相談した 警察に相談した1件 弁護士に相談した2件 マンション連合会に相談した2件 マンション入口に「禁止看板」を掲げた1件 その他(具体的に記入) ① 入居者本人に中止を伝えた。 ② 区分所有者に民泊を止めるようお話をした。 ③ オーナーに対して電話で注意した。 ④ 管理会社が区分所有者にお断りをし、その区分所有者が売却をしたので、今は問題なし。 何もしなかった1件 Q14.民泊により、マンションにどのような被害がありましたか?(複数○可) A14. 騒音4件 ゴミ出し規則を守らない3件 セキュリティが破られた マンションの取引価値が低下した 見知らぬ人の出入りでマンション生活が不安になった5件 その他(具体的に ) *なお、民泊が行われた全てのマンションにオートロック装置があった。 Q15.民泊をやめさせることができましたか? A15. ハイ4件 イイエ2件 *減ってはいるが、完全にやめてはいない。 *中国人のオーナーの話として「泊まったのは親類だと言い張った」 |
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国交省が、民泊についての標準管理規約の改定を予定。7月18日までに、パブコメを募集している。 パブリックコメント:意見募集中案件詳細 |
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(野村善彦 全管連事務局長) |
熊管連(堀邦夫会長)は、平成29年5月20日(土)、熊本市中央区のアークホテル熊本城前で、第29回定期総会を開催した。開催に先立ち、1月8日に急死した故平江澄雄前会長、初代会長を務めた故藤谷成企氏に感謝の意を表するとともに、熊本地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈りする黙禱で始まった。
まず、事業報告では、被災マンションに対して,被災直後から、支援活動を精力的に取り組んだことが報告され、そのなかで、古賀一八・福岡大学教授との出会いにより、「壊れたマンションをどう直していくか」を大きなテーマとして、セミナー、現地指導が開始されたことを強調した。管理組合は具体的な復旧工事の指導を受け、施工業者、現場代理人に対してもきめ細かな指導がなされた、と報告され、第1号として「ビブレ本山マンション」が工事完了間近となっているとされた。 また、全管連・他県連合会・各種団体等と全国からの支援金(3.288.073円)が寄せられ、復興資金として有効に活用、被災マンションにとって力強い支援につながったと報告された。 新年度の事業計画では、まだまだ遅れているマションの復旧に対して、さらに支援の継続が確認された。 一方、事業報告の中で、市内の850棟の分譲マンションで、全壊19棟、大規模半壊24、半壊147、一部損416棟であることが報告された。 また、熊管連会員74件のうち、全壊は6件、大規模半壊4件、半壊19件、一部損45件と報告され、そのうち半壊以上29棟のうち、工事中・完了が13棟、未着工だがめどが立っているが6棟、めどが立っていない10棟で、復旧の遅れが目立つ、という。 とりわけ一部損壊のマンションは、応急修理制度の適用がされないため、管理組合の費用の調達が困難をきたし、今後の復旧をどうするか、住民の合意形成をどうするかが課題になるとしている。 相談会など支援活動は継続 また、この1年、全国からの支援金を得て、以下の活動を展開した。 1. 被災マンション相談会 被災1カ月後の5月14.15日、全管連、全国マンション問題研究会、マンション学会などの協力を得て、会員、非会員含め180管理組合が参加、この相談会を機に、支援活動がスタートできた。特に東北管連の指摘を得て、マンションにも罹災証明が交付されることを知り、熊本市に発行を求め、直ちに交付が開始されたことが指摘された。 2. 古賀一八・福岡大学教授の支援 阪神淡路大震災で、現地で350棟ものマンションを復旧させている同教授が、そのノウハウを、現地指導、セミナーで公開されたことは、特筆すべきで、現場で管理組合、工事業者・現場代理人に直接指導をされた。古賀教授の指導のほか、不動産評価セミナー、住宅応急修理制度説明会、復旧工事見学会、などの幅広い支援活動は、新年度も継続する予定となっている。 一方。被災後、熊管連への管理組合会員は55から74に増えた。管理組合から活動が評価されと受け止めている。被災マンションに寄り添う支援を、継続することで、会員が一致しているとしている。 被災マンションへの支援のお願い 最後に堀邦夫会長は、熊本地震への力強い支援を継続するために、被災マンションへの募金等支援を、引き続きお願いしたいと挨拶した。 |
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(野村善彦 全管連事務局長) |
-熊本地震から1年たちました。熊本市内にある850棟のマンションの65%が被災しました、そのマンションの調査、補修、アドバイスに奔走されています。被災以来、50回以上、毎週のように現地入りしています。 古賀 昨年5月、熊管連、全管連、マンション学会などの主催で、熊本市内で被災マンション相談会があって、その模様をテレビで見ました。法制度やマンション建替えの仕組みの話が中心で、マンションをどう直すのか、という視点がないように感じて、当時、会長の平江澄雄さんに電話したら、近く総会があるから、そこで、その話をぜひ、と言われました。それ以来、調査や講演などで熊本通いです。 -熊本では、全壊19、大規模半壊24、半壊132、一部損傷403で、計559棟ものマンションが損壊しました。 古賀 益城町など木造住宅の大きな被害が報じられていますが、実は、マンションも相当な被害を受けています。当面、大規模半壊や半壊のマンションの調査と、具体的な補修のお手伝いをさせていただいていますが、ピロティ形式で、建物全体が,しりもちをついた場合は別ですが、ほとんどのマンションは、直せると思っています。杭が地中で折れたマンションでも、修復は十分可能です。直らないマンションはないというのが私の信念です。 実は、昭和56年に、国が破壊したビルの改修をどうするのかの実証実験をしています。私も、参加していますが、5階建てのビルを建て、壊してまた建てて、修復の実証データをつくったのですね。これが阪神淡路大震災で役に立ちました。 -阪神淡路大震災で、380棟ものマンションの改修を手掛けられたと聞いています。 古賀 23年前の震災当時、長谷川工務店技術研究所にいまして、長谷工は実は、阪神地区では、多くのマンションの建築を手掛けていました。ですから、被災マンションの設計図、構造計算が手元にありました。これが強みでしたね。 震災翌日から、現地に入って、調査して、直せるかどうか判断してゆきました。380棟のマンションの補修は、半年で仕上げました。しかし、その時、関わった職人さんは、ほとんど定年退職してしまいましたね。 ―補修マニュアルを、他社の社員や住民の方にも、気軽に配布していますね。 古賀 阪神淡路の経験をもとに作成したマニュアルです。秘密にすることでもないので、どんどん渡しています。これを見て直していただく、補修費用の目安もわかりますから、管理組合さんにも渡していますよ。 ―ところで、熊本地震は1年が早くもたちましたが、マンションの修復は遅れに遅れています。 古賀 阪神淡路の時に、管理組合さんに、復旧のために臨時総会の開き方、資金の調達方法、住民の合意形成の方法などを教えて来ました。熊本では、マンションが自主的に主体的に動かなければいけないのに、少し動きが鈍いです。ここをどうすればいいか。管理組合さんが、リードしていかないと。管理会社任せは、いけません。管理組合が主体的に進めることが肝心ですね。この間、職人の手間賃も一部では、一日6万円にも跳ね上がっています。これでは、管理組合さんも、復旧に踏み出せない。 熊管連には、羅針盤になっていただいて、リードしていただきたい。でも、一からはじめて熊管連は、この1年、よくやってきました。平江会長という、柱を1月に亡くしましたが。 ―建築防災がご専門ですが、この道を選んだのはなぜですか。 古賀 東京理科大学の助手の時代、昭和57年2月、東京・永田町のホテルニュ―ジャパンの火災の調査を手伝いました。なぜ33名もの犠牲者が出たのか、犠牲者の御遺体にも接しましたが、安全であるべきホテルがなぜなのか、と痛切に思いました。実は、長崎原爆で、肉親を亡くしていまして、子供のころから災害、防災、安全の問題には人一倍関心がありました。熊本に毎週のように通うのは、そんな思いが根底にあるのかもしれませんね。 ―マンションは被災しても直せる、これが古賀さんの信念ですね。 古賀 首都直下地震、南海トラフ大地震が予測されていますが、全国どこでも地震が起きるのが、日本です。マンションを確実に直せる、という人材を育てたい。 ―これからもマンションのサポートを継続ですね。 古賀 たまたま福岡に大学がありますので、自宅から熊本まで2時間もあれば、駆け付けられる。この距離感が調査、補修には絶好ですね。これからも、協力します。 |
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古賀 一八(こが かずや) 福岡大学教授(建築防災学) | |
(聞き手 川上湛永・全管連会長) |
民泊新法(住宅宿泊事業法案)が3月10日、閣議決定され、6月から新法に関する国会論議が始まる。一方で、違法民泊も横行しており、各地で近隣トラブルも発生、社会問題化している。これらから全管連では、5月2日、国交省に ①民泊を禁止しているマンションについては、営業許可を出さない ②民泊禁止等を理事会決議、もしくは総会等で管理規約で明確化することに取り組む管理組合への支援をお願いしたい ③違法民泊等の1本化された通報窓口の開設をお願いしたい、の3点を要望した。 全管連理事会での論議を踏まえたもので、各地での民泊をめぐるトラブルを重視、新法施行後も見据えた要望とした。 新法では、住宅宿泊事業を営む場合、都道府県知事への届け出が必要とし、年間営業日数の上限は、180日とされる。 また、住宅宿泊に管理業を営む者は、国土交通大臣への登録が必要となる。また、国土交通大臣は住宅宿泊管理業に係わる監督を実施する。また、住宅宿泊仲介業を営む場合は、観光庁長官への登録が必要となる、など一定のルールを定める。 要望書はこちら |
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(全管連会長・川上湛永) |
平成28年4月14日に起きた熊本地震。熊本市内にある850棟のマンションのほぼ7割が、被災しました。被災したマンション管理組合では、復旧に向け動き出しましたが、マンション特有の住民の合意形成のむずかしさ、工事費の高騰、工事業者の対応力の問題などで、復旧が遅れに遅れています。そんな中で、全管連の一員である熊本県マンション管理組合連合会の会員である「ビブレ本山マンション管理組合」の被災直後の混乱から、理事会の対応、復旧工事への取り組みの足取りを副理事長の稲田雅嘉氏に、書いてもらいました。同マンションの復旧工事は4月末に竣工の予定ですが、その記録は、今回の熊本地震によるマンション被災の実相を活写しています。全管連では、被災から間もなく1年になる熊本地震のマンション被災とは何だったのかを、多角的に追跡してゆきます。 | |
(全管連会長・川上湛永) |
高齢化が進む建設業は、社会保険等の未加入の企業が多いとされるが、国交省土地・建設産業局建設市場整備課は、課長名で3月16日、昨年の臨時国会で成立した「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律」(平成28年12月16日公布)が、3月16日に施行されたことで、全管連など工事発注などに係わる関連各団体に、建設業の社会保険未加入対策の取り組みについて理解と協力を求める文書を出した。
国交省は、数年前から建設業において社会保険の加入を呼びかけてきた。平成23年8月には「発注者・受注者間における建設業法令順守ガイドライン」を定め、受発注者相互に見積もり時から法定福利費(雇用保険、健康保険、厚生年金)を必要経費とし 適正に考慮すべきとした。 また、平成24年11月には、「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」なども策定した。同ガイドラインによれば、元請企業においても、下請け企業に対する指導等の取り組みを講じる必要があるとして、選定の候補となる建設企業について社会保険の加入状況を確認、未加入である場合は、早期に加入手続きを進めるよう指導する、また、平成29年度以降においては、社会保険の全部又は一部に適用除外ではなく、未加入である建設企業を下請企業に選定しない、と取り扱うべきなどと元請企業の役割と責任を明確にした。 また、下請け企業の役割と責任として、従業員の社会保険加入義務を負っているのは雇用主であることから、労働者である社員についての保険加入手続きを適切に行うことなどを明示した。 昨年末ごろから、ようやく、マンション大規模修繕工事の見積書に、法定福利費を内訳明示した見積もりを作成して、提出されるケースが出てきた。しかし、ある相見積のケースでは、法定福利費の比率が、全体見積額の1%から7%と大きなばらつきがあり、管理組合側が判断に戸惑う例もあった。2次下請けを含む法定福利費の算出に混乱があるのでは、と推測する管理組合もある。 |
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(全管連会長・川上湛永) |
マンションの空き部屋を外国人観光客等に有料で宿泊させる民泊について、厚労省は1日、全国の約1万5千件を調査した結果を公表した。それによると30%が無許可営業で、営業許可を得ていたのは、16.5%だった。
同省は昨年10月~12月に、ネット上の民泊仲介サイトで紹介されている物件から、15、127件を抽出して調査した。無許可が4、624件(30.6%)に上り、営業許可を得ていたのは2、505件(16.5%)だった。 残りの7、998件は、物件の特定ができなかった。 地域別では,東京都特別区・政令指定都市など大都市圏中心部では、許可が150件(1.8%、)無許可が2,692件(32.8%)だった。 無許可物件のタイプ別では、マンション等共同住宅が、2、508件(54.2%)と、戸建て住宅の1、659件(35.9%)を上回った。 政府は、昨年4月から旅館業法の許可制で一部地域での民泊を解禁したが、東京、大阪などで許可を取らないヤミ民泊が広がり、訴訟騒ぎになるなど管理組合とトラブルが起きていた。 政府は、営業日数を年間180日以下に制限するなど旅館業法より制限の緩い民泊新法を提案する予定で、今国会で成立させる方針だ。さらに、無許可営業の旅館・ホテルに対する罰金を現行を大幅に上回る100万円に引き上げる旅館業法改正案を今国会に提出するとしている。 民泊新法は、今国会で成立、10月に施行される見通しだが、マンション管理組合で、規約で民泊禁止など対応策を決めたのは、まだ限られているとみられ、民泊問題に明るい専門家は、 「まだ2割もないのでは。規約改正なら、総会での承認が必要になるから、早急に 対処すべきだ」と指摘している。 厚生労働省 全国民泊実態調査 |
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(全管連会長・川上湛永) |
外国人観光客の急増を受けてマンションの空き室などを有料で提供する民泊が全国に広がってきているが、大阪府、大阪市、東京都・大田区、北九州市など国家戦略特区に指定された地区及び特区以外の地方都市部でも、違法なヤミ民泊が横行しており、マンション住民に不安が広がっている。大阪市では特区民泊条例を制定後、昨年10月に事業者向け申請説明時、当初宿泊期間が6泊7日以上とされ、普及の足かせとなっているという声をうけ、2泊3日に対応できる内容にした。それでも正式登録は数件で、ヤミ民泊が広がる一方で、1万件を超えるとみられている。
マンションは、静穏な環境が求められるが、民泊で利用者の騒ぐ音、ゴミだしトラブル、玄関の暗証番号を利用者に伝えるなどで、セキュリティ面でも、被害がすでに問題化している。個々のマンションでは、総会で管理規約を改正、民泊禁止を決めることが早道だ。
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(全管連理事会) | |
標準管理規約第12条には、「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」が規定されているが、分譲マンションでは、ほぼ例外なくこの規約を定めている。新たに2項を設け、「区分所有者は、その専有部分を、いわゆる民泊、シェアハウス等の営業に使用してはならない」の規定を追加すれば、より明確になる。
民泊では、利用者は、ホール、エレベーター、階段、廊下など共用部分を使用することから、管理規約の改正で対応するべきだが、規約改正は、区分所有者および議決権の4分の3の合意が必要で、管理組合によっては、ハードルが高い場合がある。この場合、過半数で可決できる細則の改正で対応する方法もある。抑止効果は、ほぼ変わらないとされる。まず、細則で対応、時期を見て、さらに総会の4分の3の決議で規約改正という手順もある。 民泊は、2年前から、厚労省、国交省、観光庁などが一定の制約を設けながら、解禁に向け、検討しているが、開会中の通常国会で、民泊新法が、3月中にも成立するとみられている。年間営業日数を180日以内とし、都道府県への届け出制とし、住居専用地域でも、民泊を認めるなどが検討されている。 民泊は、現状も、新法以降も、大阪圏、東京圏ほか地方都市部にも外国人観光客が増え続けており、ヤミ民泊も拡大の一途だ。分譲マンションは早く規約改正で対処すべきだ、と警告する専門家もいる。また、住民として、ヤミ民泊を見つけ次第、所轄官庁とされる都道府県などに通報して、排除することも防衛策になる。 一方、マンションよっては、玄関に多国語で表示された民泊禁止のポスターを掲示するところも増えてきた。しかし、ポスターを横目に玄関を平然と通り過ぎてゆく、外国人利用者ばかりだ、という住民もあり、必ずしも有効ではないようだ。 |
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大阪地裁、民泊差し止め判決 2015年3月ごろから、大阪市内の分譲マンション(100部屋以上)で,特定の2部屋に、外国人が出入りするようになった、として、管理組合が、これを重く見て、2015年11月、区分所有者に民泊営業を差し止めるための仮処分を申し立てた。 これに対して、大阪地裁は、2016年1月27日、管理組合の請求通り、差し止めを認める仮処分決定を出した。マンションの所有者は、異議を申し立てなかった。 民泊問題を抱える管理組合は、この判例を参考に、管理組合が認めない民泊については、民泊営業を差し止めることができることもある、という意味で大きな決定だ。ヤミ民泊が横行する一方、民泊を手軽に儲かる営業としてとらえるマンション所有者も多い中、管理組合には味方になる決定だ。 |
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大阪地裁、規約改正で民泊禁止のマンションの違法民泊に損害賠償50万円認める。 2017年1月14日、大阪地裁は、違法民泊を無断で営業する区分所有者の男性に対し、50万円の賠償を命ずる判決を言い渡した。 管理組合は、2015年3月に臨時総会で管理規約を改正、各部屋を不特定多数が宿泊する施設として使用することを禁止する対策を講じていたが、区分所有者の男性による貸し出しが続いたことから、提訴した。ゴミの放置のほか、旅行者らが共用廊下などで騒いだり、寝転んだりするなどのトラブルから、警察も出動していたという。 管理組合側は、損害賠償と使用の差し止めを求めた。判決理由で、裁判官は、「男性の行為は民泊営業に当たる」としたうえで、「旅館業法の脱法に当たる恐れがあり、マンション管理規約にも違反する」とした。 男性側の「管理組合の好みで所有者の経済活動が制限されてはならない」との主張は、「経済活動の範囲を逸脱している」と退け、男性に対して、弁護士費用に当たる50万円の支払いを命じ、民泊営業の差し止めに対しては、男性が係争中に部屋を売却したことから請求を退けた。 このケースは、管理組合側が、違法民泊の営業を続ける男性を訴えたが、違法民泊営業は、「経済活動の範囲をこえる」として、明快に男性側に賠償を命じた。利用者の目に余る行為に、マンション居住者も不快な思いを強めたとみられる。札幌市の例では、トラブルの多いゴミ出しについて、利用者にやらせず、専門業者に委託する事業者も現れ ている。管理規約で定めたから万全、といかないのも、民泊問題のやっかいさである。住民の不断の監視も求められている、といえる。 |
国交省は、1月27日付で、全管連など関係各団体に、大規模修繕工事の発注等の相談窓口の開設についての周知を通知した。平成28年に3月に、マンション管理適正化指針が改正され、「工事の発注等については、利益相反等に注意して、適正に行われる必要がある」とされたが、今回新たに、相談窓口を設け、管理組合等の活用を呼びかけている。 昨年11月、設計コンサルタントの団体である一般社団法人マンションリフォーム技術協会(柴田幸夫会長)が、11月発行の会報で、「不適切コンサルタント問題への提言―マンション改修業界の健全な発展のためにー」を公表、バックマージンを工事会社からうけとることは、マンション管理組合に不利益をもたらす、として勇気ある提言を行ったことなどを、受けた。 通知内容と、相談窓口は、こちらから。 (公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター」は、施工費用については、「見積もりチェクサービス」(無料)も実施する。 |
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(全管連会長・川上湛永) |
NPO法人熊本県マンション管理組合連合会の平江澄雄会長(享年73歳)が8日午後10時5分、入院中の熊本大学病院で、急性肝炎のため死去した。4月14日の熊本地震以来、被災したマンションの管理組合の支援に駆け回るほか、相談会、支援セミナーを10数回開くなど、11月初め入院するまで、休みもとらずに奔走してきた。大きく被災した自らのマンションの復旧工事にも尽力した。その死は、災害関連死といっていいのではないか。 |
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年末の12月28日午後5時過ぎ、入院先の病院にお見舞の電話をいれた。意外に元気な声だった。「血管に菌が入ったらしく、皮膚に異常が出た。治療はうまくいっているので。年明けにも、退院が見えてきますよ」と張りのある声だった。そして、「壊れたマンションの復旧を急がないと」と早く、現場に戻りたい口ぶりだった。
地震の約2週間後、山本育三前会長とともに、熊本入りした。夕暮れが迫る中、平江会長は、自らハンドルをとって、被災した自らのマンションを案内。廊下の壁が大きく、崩れていた。エレベーター周りの壁も穴が空く。「部屋の片づけもできていない、寝るスペースだけ片付けただけです」。それより、熊管連に来る相談への対応で走り回っている、という。地震から1カ月後、5月14、15日に熊管連の入るビルで、被災マンション相談会を企画する。全管連、マンション学会、全国マンション問題研究会、マンション計画修繕施工協会などが全面協力するが、PR、動員、会場準備など中心的業務は、熊管連だった。2日目。挨拶に立った平江会長の表情は、なぜか硬かった。「昨日の相談会のあと、お前ら金儲けのためにやっているのだろう、という電話があった。私どもは、一銭も参加費をもらっていないし、みな手弁当です。被災したマンションを助けたいという思いでやっているのです」と切々と訴えた。正義感の強い、平江会長らしい、一面だった。 一方、初日の相談会で、マンションには、罹災証明書が発行されていないことが明らかになったが、平江秋長は、市会議員ともども。罹災証明発行がスムースに出るように市当局と掛け合い、数日後、実現した。 かゆいところに手の届くセミナー開催 熊管連は、地震後、具体的なテーマで、10回のセミナーを開いている。具体的な内容で、管理組合にとって役に立つ内容と評判になった、参加者も多かった。 テーマを列記する。 |
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熊管連の今後の運営について 平江会長の急死で、熊管連は、被災マンションの支援を中止するわけにはいかない。 会長職は、4月の総会まで、当面空席のままで、現在副会長の稲田雅嘉氏、堀邦夫氏が代行を務める。穴をあけるわけにはいきません、と稲田氏は、決意する。 マンションボランテイアとは何か 平江会長の場合、まじめすぎる性格、正義感などから、震災後、八カ月、働きずめだった。全管連などマンション管理支援は、一定の報酬は得ても、生活が保証されるようなことはまったく期待できない。無償に近いところさえある。そこで、活動することは、使命感だけが優先する。「ほとんど趣味に近い」と断ずるひともいる。 難民救援、災害など被災民の救援活動等に携わる欧米のボランティア団体は、活動家の生活が保証されている団体が多い。企業、民間などからの寄付金も、3割は事務経費とされ、そのなかから、スタッフに一定の報酬が保証される。寄付する側も了承している。 マンション管理支援は、難民救援などと性格は異にするが、これからマンションの超高齢化で、管理不全マンションもじりじりと増え、支援の対応は複雑、多岐にわたることが考えられる。弁護士など専門家に任せればいいではないか、というのが国や自治体の方向のようだが、多様な人生経験の積み重ねを経て参加し、その柔軟さから、管理組合と的確に協調できるボランティが数多く活躍する。平江さんのような、災害関連死を出さない環境を一日も早くつくりあげたい。それには、国や行政も一緒に動いていただきたい。 |
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(全管連会長・川上湛永) |
(一社)マンション計画修繕施工協会(MKS)は、管理組合などむけに、マンション大規模修繕セミナーを開催します。2月4日の福岡をかわきりに 全国9会場で開催されます。入場無料。全国マンション管理組合連合会は、セミナーを後援しています。
各会場では、基本的には3部構成で、既存住宅とリフォーム関連施策の動向(国交省担当官),マンションを100年快適に使う改修工事の考え方(MKS)を共通講座として、
会場により、熊本地震からの教訓(福岡、東京会場),札幌市の景観条例について(札幌)など、が加わります。 各会場のセミナーについては、申し込み方法とセミナー会場のご案内を参照ください。 各会場のお申し込みは、12月15日から受けつけております。、各会場の開催日の15日前までにfaxもしくは、チラシ添付のはがきにてお申し込みください。 詳しくはこちら |
(全管連会長・川上湛永) |
マンションの大規模修繕工事等に関して、一部の設計コンサルタントが、施工業者からバックマージンを求めるケースが横行しているとされるが、設計コンサルタントの団体である一般社団法人マンションリフォーム技術協会(柴田幸夫会長、東京・千代田区)が、11月28日発行の会報25号で「不適切コンサルタント問題への提言―マンション改修業界の健全な発展のためにー」として、バックマージンを工事会社から受け取ることは、結果的にマンション管理組合に不利益をもたらすなどの弊害を7項目にわたって挙げている。設計コンサルの団体が、業界の浄化のためこうした思い切った提言を出すのは、初めてだ。
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提言は、MARTA個人会員一同としては出されたが、個人会員は現在25名が参加、全員が賛同した、という。別に、MARTAには、工事会社50社が参加している。 提言によると、バックマージンを工事業者は工事費に上乗せするから、工事費は割高になり、管理組合に実質的に負担を与える、また、不適切なコンサルは、バックマージンを出す特定の工事業者が。工事を受注できるように不適切な工作をすることになり、公明正大に行われるべき管理組合の業務が著しく損なわれる、を挙げている。しかし、不適切なコンサルの特定は難しく、排除は直ちにはできないため、コンサル全体が疑われ、信用を失うことになる、として危機感を抱いている、と強調している。 柴田会長は、「以前から、バックマージンを求めるコンサルの存在は言われてきたが、最近は目に余るという声が大きくなってきた。安く設計業務を請け負って、穴埋めは施工業者からのマージンというのでは、業界は混乱するばかりだ。何より被害者は管理組合です。提言を機に不適切コンサル排除の声を大きくししゆきたい」と断言している。 |
不適切コンサルタント問題への提言![]() クリックすると内容が表示されます |
バックマージン問題、6年前、日住協コラムでも指摘 マンション改修に係わる設計コンサルタントの一部が、施工業者にバックマージンを 請求、受け取っている問題をマンション改修設計士の団体・マンションリフォーム技術協会(MARTA、柴田幸夫会長)が11月28日発行の会報で、「不適切コンサルタント問題への提言」を公表したが、6年前、日本住宅管理組合協議会(日住協)の広報紙、アメニティ2010年5月のコラムでも、設計コンサルタントから、同様の指摘がされていた。 コラムは、当時連載された「マンションに百年住む」で、その13回、「業界の悪弊正すのも管理組合の役割」。 コラムでは、メーカーや業者からバックマージンをもらう専門家がいくらでもいるとして、「管理業界でも例外ではなく、ことあるごとに出入り業者からバックマージンを上納させる会社もあるし、大規模修繕工事の時には、仲介料と称して多額のお金が動くこともある」と書いている。 また、マンションは不動産、建築業界の前近代的な悪癖をひきずっており、それを見極め、粛清してゆくのもこれからの管理組合の役割であることも知ってもらいたい、と結んでいる。つまり,こうした悪弊がはびこる現状を認識し、管理組合もしっかり目を光らせよ、と指摘している。 筆者は、実名は記せないが、正義感あふれる一級建築士であることだけは、明かしておきたい。 |
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(全管連会長・川上湛永) |
マンションの空き部屋等に外国人旅行客などを有料で泊める「民泊」で、管理組合の間で、対応など受け止め方で一部戸惑いが生じているが、国交省は11日、国家戦略特区内についてマンション管理組合に管理規約で民泊禁止、許容する場合のそれぞれの規約上の規定例を参考として公表した。関係自治体に通知するとともに、全管連、マンション管理業協会、マンション管理士会連合会、不動産協会など20団体に通知した。
今回は、特区に認定された東京、大阪府等の一部地域が対象だが、来年の通常総会に提出予定の「民泊新法」が制定されれば、同様の通知を、特区以外の自治体などにも通知するとしている。 国交省によると、28年10月に改正、施行された国家戦略特別区域法施行令により、事業予定者による周辺住民への適切な説明の実施などの手続きが規定され、当該マンションで当該事業の実施見込みであることが管理組合が認知できるようになったが、事業予定者から説明があった場合、管理組合で議論を尽くし、管理組合としての方針を決定し、管理規約において明示するほか、事業予定者・区分所有者だけでなく、承継人や占有者に対してもできるだけ告知することが望ましい、としている。 通知では、管理規約での可否の文例、さらに細則での文例も示している。一般に規約の規定の方が確定的とされるが、今回、細則での文例を示したのは、選択の幅が広がる。 また、国交省では、国家戦略特別外国人滞在施設経営事業の用に供する施設の建築基準法における取扱いについても、別途通知した。非常用の照明装置の設置、警報機の設置などが該当する。 禁止を明示する場合の管理規約の一例 第0条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。 2、区分所有者は、その専有部分を国家戦略特別区域法第13条第1項の特定認定を受けて行う国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に使用してはならない。 許容を明示する場合の管理規約の一例 第〇条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に に供してはならない。 2.区分所有者は、その専有部分を国家戦略特別区域法第13条第1項の特定認定を受けて行う国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に使用することができる。 使用細則に委ねることとする場合の案 条0条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に に供してはならない。 2.区分所有者は、その専有部分を国家戦略特別区域法第13条第1項の特定認定を受けて行う国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に使用することを可能とするか否かについては、使用細則に定めることができるものとする。 国交省の特区民泊に関する管理組合等への情報提供について http://www.mlit.go.jp/report/press/house06_hh_000136.html http://www.mlit.go.jp/common/001152253.pdf http://www.mlit.go.jp/common/001152038.pdf |
(全管連会長・川上湛永) |
法務省は30日、熊本地震を、被災マション法の政令指定を決めた。10月5日から、施行される。 4月14日の熊本地震で、るピロティ形式のマンションなどを中心に柱、梁,耐力壁などが大規模に損傷し、全損とされるマンションが熊本市内で17件も発生、熊本県マンション管理組合連合会などが、政令指定災害として指定するよう、熊本市を通じて、法務省に要望していた。 大地震により、マンションが大規模に損傷した場合に、民法、区分所有法ではなく、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法が、阪神淡路大震災後に制定、さらに、東日本大震災を受けて、一部改正された。 敷地所有者等の5分の4以上の多数決で、建物再建、または、敷地売却決議ができる。 (政令施行日から3年以内に決議する必要がある) また、大規模な一部滅失でも、建物取り壊し、敷地売却、又は建物・敷地売却の決議もそれぞれできるとされている。 熊本市内のマンションでは、4月14日つづいて、4月16日起きたM7・3の余震(のちに本震)で、多くのマンションが損傷を受けた。半壊とみられるマンションでも、損傷が大きく、復旧工事に入るか、取り壊し、あるいは敷地売却の選択を迫られるマンションがあり、管理組合では、被災マンション法の政令指定を望む声が強かった。 | |
(全管連会長・川上湛永) |
日本マンション学会は、9月12日、改良版マンション標準管理規約を公表した。 全管連理事会も今年3月以降、改良版の作成に協力してきた。国交省が3月14日に改正案を公表したが、コミュニティ条項の削除など管理組合から見れば、現実にそぐわない改正が多く含まれていた。 全管連では、学会案一次案を3月に受けて、法務政策委員会を招集、山本育三会長はじめ委員会メンバーで検討した。①コミュニティ条項の存続②マンション管理士、弁護士など外部専門家の活用を「選択肢」とした⑨管理規約コメント第46条関係で、改正では、マンションの住戸価値に大きな差がある場合は、専有部分の階数等を考慮した価値の違いに基づく価値割合を基礎として、議決権の割合を定めることも考えられる、として、価値割合の導入を示唆しているが、この部分も排除した点などを高く評価した。 全管連からも、監事の規定への疑問、コミュニテイ条項削除の代替として、管理適正化法にコミュニティ重視の記述を移転するなど姑息な方法をとった点などの指摘の記述を求めた。しかし、総合的に改良版を評価したい、として理事会の全会一致で了承された。 改良版は、現行の標準管理規約を黒字、改正規約を赤字、学会独自の記述部分を青字で表記している。 |
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(全管連事務局長・川上湛永) |
機械式立体駐車場は、マンション等へ広く導入が進んでいるが、装置の安全対策の不備、マンション住民の不注意などで平成19以降、死亡・重傷事故が32件(うち死亡事故12件、国交省調べ)起きている。そのうち児童の死亡事故が3件発生した。マンションでの駐車場事故が、全体の半数を占め、マンションでの安全対策が決めてとされていた。国交省は平成26年3月、「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」を策定、公表したが、その後、関係団体などの意見も入れ、安全対策の取り組み方法、実施上の留意事項について、改めて検討・整理し、特にマンション住民など利用者へのよりわかりやすい記述を加え、今回のガイドライン手引きとした。
平成28年9月半ば公表された手引きでは、メーカーなど製造者の取り組み、マンションデベロッパー等設置者、マンション管理組合に当たる管理者(保守点検業者などを含む)、マンション住民に当たる利用者にわけ、それぞれの取り組み方法などをまとめている。
例えば、利用者編では、「センサーなどの設備にゆだねることなく、装置内に人がいないことの確認を自ら徹底して行うこと」、「保護責任者は、子供が装置にいたずらで近づかないように細心の注意を払うこと」「乗降室内に長時間とどまらないこと。荷物の積み下ろしは乗降室の外で行うこと」などの指摘がある。 平成28年の機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン |
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(全管連事務局長・川上湛永) |
4月14日の熊本地震で、大規模損壊したマンションが複数棟あることで、熊本県マンションン管理組合連合会(平江澄雄会長)は8月2日、熊本市(大西一史市長)に、被災マンション法の適用を法務省に要請するよう要望書を提出した。熊本地震では、熊管連は14棟のマンションが、大規模損壊している事実を被災マンション管理組合の調査で掌握しており、今回の要望となった。被災マンション法については、法務省が政令で指定することとされており、東日本大震災では、仙台市で政令指定された。
被災マンション法(正式には、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法)は、それまでマンションの再建は区分所有者の全員の合意を必要としたが、区分所有建物が全部滅失したときは、敷地共有者の5分の4以上の多数決でその敷地に、マンションの再築ができるとされた。さらに平成25年6月に、東日本大震災を受けて改正され、5分の4以上の多数決で敷地売却が可能になった。また、全部滅失でなくても、大規模な一部滅失の場合には、建物取り壊し、敷地売却、あるいは建物・敷地売却のいずれかの決議ができるようになった。今回、熊本の場合も、ピロティ形式のマンションで、建物が大きく傾き、1階の駐車場などの柱が座屈した例が出た。また、ピロティ形式ではなくても、5棟構成のマンションで2棟が傾き、再建が困難な事例もある。
熊管連では、5月以降、4回にわたり、熊本市内の被災マンションを対象とした相談会を開き、依頼に基づき被災マンションを調査、7件、14棟が大規模損壊している、と指摘している。熊管連では「被災マンション法の政令指定されないと、自費で解体・再建せざるを得ない事態に追い込まれる。熊本市は、ぜひとも、法務省などに要請してほしい」としている。
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(全管連事務局長・川上湛永) |
国交省は、マンション管理組合と管理会社が結ぶ標準管理委託契約書を改正、7月末、公表した。2009年以来の改正で、今回は中古マンションの流通の促進に資する目的の改正が主な目的。従来の耐震診断結果、アスベスト調査等に加えて、大規模修繕工事の予定、専有部分の使用制限、駐車場の空き情報、共用部分の損害保険、敷地及び共用部分の事故・事件などを示対象にした。一方、組合員から依頼を受けた宅建業者以外に、売却予定者(組合員)を含めるなど開示の相手方の拡大を図った。
国交省は昨年11月からマンション管理業協会、全管連などマンション管理組合団体などで「マンション管理情報の適切な開示の促進等に関する勉強会」を3回開催してきた。
今回、この勉強会の中で、マンション管理情報の整備・保管・開示等で前向きな取り組みを進めている首都圏及び兵庫県の管理組合にヒアリングを実施、「事例集」として、同時に公表した。管理組合の具体的な取り組みが公開されている。この中では、資料の施錠管理等のセキュリティ強化、資料の電子化、外部への開示を想定した総会資料の整備、専有部分のリフォーム検討時における過去の総会資料の活用、ホームページを通じた外部への情報発信など、大いに参考になる事例だ。
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マンション管理情報の適切な整備・保管・開示に繰り組む管理組合事例集 「マンション標準管理委託契約書」及び「マンション標準管理委託契約書コメント」の改正について |
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(全管連事務局長・川上湛永) |
熊本県マンション管理組合連合会(平江澄雄会長)、全管連、日本マンション学会、全国マンション問題研究会、マンション計画修繕施工協会は、5月14,15日、熊本市中央区桜町1の一番舘ホールで、被災マンション相談会を開いた。2日間で、207管理組合、380人が参加した。初日は、午前10時の開場前から、行列ができるほどで、被災したマンションをどう復旧するかで困惑する管理組合の実情が浮き彫りになった。
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初日の14日、管理組合の役員、一般のマンション住民が、受付に列を作った。元ホテルの会場は、アッと間に席が埋まった。用意した100席が埋まり予備椅子を並べた。相談員として、九州各県から駆けつけた弁護士、全管連に参加する管理組合団体役員、建築士などは、座る席もないほど。マンション問題研究会に所属する弁護士は20名余が参加した。元全管連に属していた博多の福岡県マンション管理組合連合会からも、畑島理事長ら6名が応援に駆け付けた。 | ![]() 会場前、歩道にも行列ができた。 (熊本市中央区桜町1で) |
![]() 会場を埋め尽くした被災マションの住民 |
オリエンテーションの第1部で、折田泰宏弁護士(元日本マンション学会会長)が、被災マンションに係わる支援制度、被災マンション法の説明、21年前の阪神・淡路大震災の経験を踏まえたマンション建替えの仕組み、さらに地震保険について、1時間半講演した。
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2部として、5年前の東日本大地震で、自らのマンションが被災した東北マンション管理組合連合会常務理事の畑中泰治氏が、体験からの講演を30分。畑中氏は、「罹災証明書は、もう出ましたね」と出席者にといかけると、「全然出ていない」と会場から一斉に声が上がった。罹災証明は、すべての公的支援になくてはならない基本書類ですと強調すると。会場からは「出ていません。どう手続きをすればいいのか」という声が再び上がった。 罹災証明書については、熊本市も準備の遅れを認め、16日中には担当窓口を福祉課に設けるとしたが、20日なってようやく担当窓口の開設をホームページで案内した。 (折田氏の講演資料は、熊管連のホームページからダウンロードできます。) | |
正午過ぎから、会場に10のテーブルを設け、弁護士、全管連役員等の相談員が2,3名つき、順番に相談に応じた。相談は、時間がかかるケースもあり、2日間とも午後6時近くまで続いた。 相談事例からみると、理事会、総会、住民説明会を開いていない組合が多く、住民が、避難で散りじりになった現状の側面を示した。 | ![]() 相談テーブルで、弁護士等に相談する住民の主婦ら |
事例から見ると①11階建てのマンション、棟と棟をつなぐエキスパンションジョイントが、4月16日の本震で50センチも隙間が空き、危険で、どう対応すればいいか、という深刻な相談。10センチ程度の隙間なら注意すれば渡れるが、50センチは、隙間から落下する恐れもある。建て替えもふくめ、対応を管理組合で慎重に協議すべきだ、という一応の回答を出した。 ②開放廊下の壁にX条のせん断亀裂が出て、危険なので、早く業者に依頼したい、相見積りで進められるか、という相談には、災害時に相見積には時間もかかるし、復旧工事が殺到することで、業者が応じないのではないか、1社に決めて検討した方が現実的、というやり取りが、住民と相談員との間であった。 ③16戸という小規模マンション、2階にせん断亀裂、6,7階に壁にひびが入ったが、地震保険の保険会社がまだ調査に来ない、住民に高齢者が多く、復旧の見通しが立たない、という女性理事長。保険会社との対応等一歩づつ進めてと回答 ④5階建て、5棟の100戸の団地。4号棟が、傾き、床に置いたボールが転がるほど。給排水管が損傷し、修復工事を始めたが、時間がかかりそうだ。住民は、隣の体育館の避難所と傾いた住戸を往復するが、夜間は余震を恐れ、避難所に移動する。修復が可能かどうか、調査が必要だ。理事会を週1回は開き、住民に情報公開するという指摘をした。 ⑤39戸のマンション、温水器からの漏水が10件発生、築12年経過なので、設置した会社の責任は問えないのでは、と回答した。 ⑥89戸で、ピロティ部分の柱が損傷して、住民は避難,5戸しか住んでいない。修復は可能なのか、という相談。建て替えが必要かどうかは、再調査したうえで、判断するしかないとして、継続的に相談を続ける、とした。 行政にも相談窓口がないため、2日間の相談会が終わっても熊管連には、ひっきりなしに相談の電話がかかる。平江会長以下、10名の理事の自宅マンションは、いずれも被災した。平江会長の部屋は、片づけもままならず、休むスペースだけを片付けただけで、救援に駆け回っている。 熊管連では、相談シートを分析、長期の対応が必要なケース、専門家に依頼する方が適切などに分類し、これから長期的に対応してゆく方針を決めている。 |
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(全管連事務局長・川上湛永) |
4・14の熊本地震で被災した熊本市内の被災マンションを4月30日から5月2日まで、全管連の山本育三会長、川上湛永事務局長、元マンション学会会長の折田泰宏弁護士で、地元の熊本県マンション管理組合連合会の平江澄雄会長の案内で、一日、調査した。マンションの多くは、雑壁(非構造壁)に、X条のせん断亀裂が入る被害がみられるほか、敷地地盤の沈下、などが共通にみられたのが特徴だ。 | |
(全管連事務局長・川上湛永) | |
メデイアにも報道された西区の7階建てマンション。車庫になっている1階部分が、弓なりにゆがみ、1階がほぼつぶれていた。中に、乗用車が7台ほど。開放廊下側の柱は、コンクリートがはじけ、鉄筋がむき出しになっている。ベランダ側は、住民が2.3人住戸から家財を取出していた。寺本幸絵さん(26)は、「七カ月前に、部屋を買ってリフォームした。こんな被害にあうとは」と言葉少なだ。1歳の赤ちゃんを抱えて、懸命に片づけをしていた。「みなし仮設住宅にはいりたいけど」と言葉少なだ。別の女性は、「14日は、何ともなかったが、本震の16日に1階が崩壊した。40戸のマンションだが、まだ一度も管理組合の集会を開けないです」、と戸惑いを隠せない。1階が柱だけで、耐震壁が少ない、ピロティ形式の典型的被害だが、1度は耐えたが2回目の震度7で、倒壊したとみられる。 | |
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つぶれた部屋から吐露出した家財をかたずける寺下さん夫婦 | |
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ピロティ形式で駐車場がつぶれ、柱もくずれた(熊本市中央区) | |
中央区本山町の14階建てマンションは、1号棟と2号棟をつなぐエキスパンションジョイントが離れ、施工業者が応急措置で、木で覆っていた。「いち早く、この措置をとってくれたのはありがたいが、本格的な復旧には時間がかかるでしょうね」と住民は困惑の表情。ここでも、X条のせん断亀裂が、開放廊下側に走る。12階まで、ほぼ同じ個所の壁に亀裂が入る。 180戸の大規模マンションで、部屋の中の家財が倒れ、大型のタンスが、何本も1階のゴミ置き場に集められていた。市の大型ごみの収集が、間にあわず、大型ごみは、増える一方のようだ。 1階の自転車置き場も、壁に30センチほどの穴が、数か所空いている。 近くの90戸のマンション。ここでは、貯水槽が幸い、破壊しなかった。管理組合では、貯水槽から30メートル離れた1階の壁に、3つの蛇口を取り付け、臨時の水汲み場を設けていた。 やはり中央区の7階建て、88戸のマシンション。ここでも、開放廊下の壁に、亀裂が入っていたが、住民によると、16日の余震(本震)で、壁に亀裂が入ったという。1階の住戸を内部に案内していただいたが、ほとんど無傷。「冷蔵庫が移動したくらいです、1階だからでしょうか」と住民。ただ、本震で、玄関ドアが閉まらなくなった、という。ここのマンションでは、建物と敷地に段差ができていた。地盤が沈下した。ほかのマンションでも、地盤の沈下が、見られた。12日に、調査予定という、改修業者の掲示が見えた。 全管連では、5月2日、地元の熊本日日新聞社に、調査の概要を説明にうかがった。南阿蘇村や益城町の、大規模の土砂崩れや、住宅の崩壊の報道に追われ、マンション被災の取材は、これから本格的に取り組む、という社側の説明だった。山本会長が、阪神淡路の大震災のマンション被災の状況と似ている、と例をあげ説明した。 この概要説明の記事は、5月4日付の、同紙に掲載された。 | |
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応急に取り付けた水場で水をくむ(熊本市中央区) | |
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エキスパンションジョイントの部分を応急手当て(熊本市中央区) | |
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共用廊下に面した雑壁に亀裂が入った(熊本市中央区) | |
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1階の壁が大きくはがれた(熊本市中央区) | |
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地盤がすこし沈下した(熊本市中央区) |
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4月14日発生した熊本地震。益城町、南阿蘇などの住宅倒壊による被害で49人が、亡くなるなど被害が広がっているが、熊本市内のマンション被災も、徐々に被害の状況が明らかになってきた。 マンションの壁が破壊したり、高架水槽が倒壊するなど被害は深刻だ。室内に家具が散らばり、住めなくなり、避難所に一家で避難、あるいは車中泊を続けている家族もあるが、マンションの被災が、マスコミで伝えらことが極端にすくなく、実相がわからないまま2週間が過ぎようとしている。現地のマンション副理事長に聞いた。 |
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(全管連事務局長・川上湛永) | |
2週間たつのに、被災当時と状況は、ほとんど変わらないというのは、稲田雅嘉さん(熊本市中央区のマンション副理事長)、稲田さんは、熊本県マンション管理組合連合会の副会長も務める。 14日夜の地震で、飛び起きたが玄関ドアが開かずからだをぶつけて、外に出た。14階建ての7階に住むが、上階の住民から、助けての声に、管理事務所から、バールを取り出し、こじ開けた。ドアが開かない住戸は、他にも数戸出た。 数日後、開設された避難所には、9割近い住民が避難したほか、近くの駐車場に車を止めて避難する住民も多かった。大半の住民は、1週間たち、マンションに戻ったが、小さい子どもを抱える住民は、避難所から戻らないケースもある、余震が続く中で、精神的にダメージを受け、避難所の体育館の方が、安全という思いからだ。 マンションに戻ったが、一番困るのはトイレ。集会所で順番を待つが、容器に水を入れてゆく。この水の確保が、至難だ。14階の屋上にある高架水槽が壊れ、使えない。洗たくは、コインランドリー通いだ。高架槽は、被害を受けたマンションが多く、復旧は60日待ちという。 近くの食品工場の井戸に水をもらいにゆく毎日。隣のマンションは、2年前に井戸を掘り、今回、水の確保の苦労から解放された。エレベーターは、4日目に動いた。激しい揺れで、エレベーターシャフトの軸が傾いたと懸念されたが、奇跡的に復旧した。 |
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壊れた高架水槽、復旧は60日後になる(熊本市中央区) | |
応急措置もとれず、被災当時のままのマンション マンションの被害は、14階建ての7.8階の中間階に被害が出たケースが多い。ベランダに面した壁に穴が空いた。耐震壁ではない、雑壁。耐震的には、問題は少ないという専門家の判断だが、余震で空隙が広がるようで不気味だ。開放廊下の壁の一部に、X状の亀裂が出たところが、数か所。10階以上に、特に被害が集中した。マンションの方角により被害が異なる。横揺れの違いによるようだ。マンションでも、別棟の5階建て棟は、ほとんど無傷で、揺れの違いで、こんなにも差がでるのか。 |
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ベランダ雑壁の損傷(熊本市中央区) | |
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開放廊下に散乱した用具など (熊本市中央区) | |
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廊下に面した壁にX条の亀裂が入る(熊本誌中央区) | |
近くのマンションで、棟と棟をつなぐエクスパンションジョイントが、ずれた例があり、テレビで盛んに紹介されたが、本来、エクスパンションジョイントは、異なる形状の建物同士を分割して、地震の揺れによる外力を伝達しない役割を果たすもので、見当違いの騒ぎだ。 マンション住民が片付ける家具などのゴミも敷地内にたまる一方だ。市に連絡しても、収集に来ない。マンションは、2週間になるが、混乱したままだ。 子どもたちの通う、小中学校も5月9日まで休校の措置が取られている。この状態で、通えるのか不安が募る。 マンション管理組合は、阪神・淡路大震災、5年前の東日本大震災で、地震保険加入率が上がっているが、稲田さんのマンションも加入していた。熊本県の地震保険加入率は、28・5%とされ、九州地区では、高い方だ。(ちなみに宮城県は、50・9%) | |
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マンションをつなぐエクスパンションが揺れでずれたマンション(熊本市内) | |
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震災がれきを集積したマンションの一角、どこの被災マンションも がれきがたまる一方だ(熊本市内) | |
被災マンション相談会を開設 地震に係わる復旧、公的援助、法的問題など、これから被災マンションは、立ち向かう問題を抱えるが、全管連、日本マンション学会、弁護士グループでつくるマンション問題研究会は、5月14日(土)、15日(日)に、熊本市中央区桜町1-25の熊本県マンション管理組合連合会で、被災マンションを対象に相談会を開く。 無料。 |
恒例になった、全国マンション管理組合連合会とマンション計画修繕施工協会(MKS) 主催のマンション大規模修繕セミナーは、2月6日から全国7都市の会場でスタート、これまで大阪、広島、名古屋で開かれた。各会場では、管理組合役員、一般等ほぼ定員いっぱいの入場者に沸き、2月28日には、東京会場で開かれる。
ことしは、全管連とMKSで、ビンテージマンションプロジェクト実行委員会(会長・山本育三全管連会長)をつくり大規模修繕を繰り替えしながら、長寿命化を目指し、味わいのあるビンテージマンションづくりを進めようという趣旨だ。 大阪で、横浜・霧が丘住宅の給排水管等ライフライン更新工事を報告 最初の会場となった大阪・梅田スカイビルでは、第3部で、全管連の日本住宅管理組合協議会(日住協会員)の、横浜市緑区、旧公団分譲の霧が丘住宅管理組合(408戸)の専有部分・共用部分ライフライン改修工事実行委員会委員長の兵藤弘幸氏が、パワーポイントを使って、工事概要を説明した。「横浜の事例を大阪で説明するのは、最初、戸惑ったが、高経年マンションなら、全国どこでもライフライン更新工事は必然だから」と兵藤氏は、報告に臨んだ。 同住宅では、3年がかりで、理事会、同住宅独自の長期管理計画推進委員会を中心に、専門委員会、準備委員会、実行委員会をつくり、改修工事に取り組んだ。工事は、昨年4月から9月までかかったが、段階的スラブ上化改修、排水立て管の集約化、排水立て管の一部を外壁に出す外部化等の改修を実施した。専有部を含む給排水管の更新工事は、工事中、防犯等の理由で、住民の在宅が求められのが最大のネックだが、管理組合では、その対策として、近隣の公的賃貸住宅を借り、住民の避難場所を確保したほか、集会所、仮設工事事務所などに休憩所、洗濯機などを設け、住民に開放した。また、住民で、見守り隊を編成、工事中の在宅住民を回って、声掛けをするなど、安全、健康対策を優先した。 住民の立場を重視した独特の取り組みが注目され、報告後、兵藤氏に、参加の管理組合などの質問の輪ができた。 |
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![]() 大阪市北区、梅田スカイビル・ステラホール |
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東京では、横浜・若葉台団地の100年マンション・世代循環型団地プロジェクト報告 28日の東京会場では、第3部で、横浜市緑区にある若葉台団地の100年マンションプロジェクト副委員長の柿沼鉄雄氏が、報告する。
同団地は、神奈川県住宅供給公社が1979年から16年かけ、開発した分譲5,195戸、賃貸792戸等6,405戸の大団地。4つの広い公園を持つ緑豊かな郊外型団地。15の管理組合で、若葉台住宅管理組合協議会を結成している。入居34目の2013年に100年マンションプロジェクトをスタートさせ、建て替えではなく、長寿命化をめざ、し、過去に同協議会が制定した「100年マンション憲章」の実現を目指す取り組みである。憲章では、管理組合は、マンションの長寿命化・再生をめざし、様々な施策と活動を行う、世代間の平準化を積極的に図り、「世代循環型団地」の創出を目指す、としている。100年マンションプロジェクト委員会では、給排水管の改修工法などを検討する、いす式階段昇降機を検討し、エレベーターのない住戸への対応を図る、若い世代の転入を促進する環境整備を図る、等の4つのワーキンググル-プを設け、研究に取り組んでいる。
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一方、大規模修繕の修繕周期についても先進的に研究しており、専門家を交え、改修周期を18年に延長することが可能とする結果を得た、としている。高耐久仕様の材料、工法を採用しても、積立金の範囲内で、周期の延長によりカバーできると結論づけている。
100年マンションを目指す、同団地のチャレンジは、高経年・高齢化したマンションのこれからにとって注目される報告になる。
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東京会場は、2月28日13:00(開場11:30)、 千代田区神田駿河台3-2-11、連合会館、大会議室。会場では、設備、材料、瑕疵保険、管理組合運営相談などの10数ブースが、11;30から、設けられる。入場無料。 事前申し込みで、WEBからは、全管連HPを参照。℡0120-544202。 なお、2月21日は札幌、2月27日仙台、3月12日は福岡で、開催される。 福岡会場でも、横浜・若葉第団地の100年マンション計画の報告が行われる予定です。 |
神奈川県横浜市旭区の左近山団地中央地区団地管理組合(1300戸)は、昨年10月から、団地再生の提案を一般から募集するコンペを実施してきたが、1月24日、団地に隣接する左近山中学校体育館で、公開審査会を開き、最優秀賞などを決めた。団地住民など200名が出席、審査を見守った。老朽化した団地の再生についてコンペを団地管理組合が主催するのは、国内では初めてとみられ、それだけ同団地の再生への意気込みが伝わる。
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今回のコンペは、同団地が主催だが、数面前から横浜市が、同市内に多い高経年団地の再生に整備事業の提案などに取り組んできたが、同団地がこれに呼応、コンペが実現した。
同団地は、かつて建て替えを目指したが、いまは団地再生に、団地ぐるみで、取り組んでいる。 同団地中央地区は、築48年、老朽化と住民の高齢化が進む。団地の中央地区のプールを含む2200㎡の縦長のスペースを中心とした環境整備・改善が団地再生の軸になると管理組合は判断、コンペによる提案を募ることにした。若い世代や子育て世代を呼び込む、増えてきた空き家の有効活用などを提案に盛り込んだ。管理組合が用意する整備費用の目安も5千万円として、提案の中に整備費用の試算も求めた。 |
![]() 再生コンペの対象になった左近山団地中央地区 |
![]() 横浜市旭区・左近山中学 |
コンペは、昨年10月に応募登録が開始され、12月15日に締め切られ、23日に応募された24作品の一次審査が行われ、9作品に絞られた。24日の公開審査では、応募者のプレゼンテーション、審査委員との質疑応答が午前午後と、4時間半にわたって行われた。審査委員には、5名の専門家のほか、団地、自治会から6名の地域委員も加わった。 ( 寒い中、体育館には、200人以上の住民らが審査を見守った。) |
その結果、最優秀賞には、ランドスケープ事務所の(株)スタジオゲンクマガイ(横浜市中区山下町))が選ばれた。また、優秀賞には、横浜国大建築計画研究室+西田司オンデザイン、日本総合住生活(株)、芝浦工大中野研究室+アプル総合計画事務所が選ばれた。ほかに、審査員特別賞、空き家活用賞などに5作品が入選した。
応募者は、若い建築家や、学生が主体で「、団地再生に若いひとが関心を寄せてくれたのは、本当に励まされた」と住民のひとりは、話していた。 |
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最優秀賞のスタジオゲンクマガイの作品について、審査委員長の大月敏雄東大大学院教授は、「来年度から始まる第1期の広場の設計、空間造形、コンセプト、整備予算、住民をどう巻き込むか、などの点において一定のレベルをクリアしていた。細部で、これから住民と協議しながら、現実的な修正をしながらやってゆきたいという住民の審査員からの意見もあった。地元の事務所だからという理由ではなく、総合的に評価し、決定しました」と受賞理由を説明した。ゲンクマガイ代表の熊谷玄さん(42)は、「自分自身、子育て中なので、この団地の広大な敷地と緑は、すばらしい。これをどう機能、活用してゆくかを考えた」と受賞の喜びを語った。 |
団地をまるごと公園に スタジオゲンの受賞作のコンセプトは、左近山団地をまるごと公園化するとして、団地の広大な外部環境が持つ価値を最大化するため、点在する児童公園、団地内のあらゆる道、集会所などのコミュニティ施設、空き家、緑、今回整備する一期整備地区など、すべての在り方を、公園というキーワードで、整理、整備することを挙げた。そのために、団地内の外部空間に多くのベンチを置く、歩道空間の見直しで、遊歩道のような、歩いて楽しい道が生まれる、また、植栽を育てる、畑を耕す、モノづくりを楽しむ、などテーマ型のコミュニティ活動ができる環境がつくる、としている。 一方、空き家については、シェアハウスとして活用を挙げている。団地内の友人と料理をつくり、パーティができる、また子育て世代が集まれるプレイルーム・託児所、ゆっくり勉強できる図書室・勉強部屋、共通の趣味を楽しむ趣味の家、などを提案した。また、ゲストハウスとしての利用も提案、団地を体験して、左近山団地を購入予定の世帯や、団地住民の親戚、友人が宿泊できる空間として活用、宿泊体験を通じて、団地の良さをアピールできるモデルルームとして活用するとしている。 ほかの、8作品も、それぞれユニークな提案が多く、提案を見比べると楽しさが伝わってくる。例えば。横浜国大グループの提案は、「サコモビ」として、虫取り、イカダ、コタツ、お昼寝、などの様々なテーマで、動く工作物を住民がつくり、広場に持ち出して、子供や、おとなたちが、遊んだり、楽しむという夢のあるユニークな提案だ。 |
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大月審査委員長の講評 今回のコンペについて、審査委員長の大月教授は、次のような講評を述べたが、コンペによる老朽化した団地の再生への取り組みの意義を強調した。 応募した方は年齢が若い人が多く、団地再生に熱意を向けていたことに感銘を受けた。団地再生のコンペは、このところは全国で流行っています。京都の賃貸団地、UR都市再生機構の横浜・洋光台団地の団地再生のコンペなどがあります。ところが、左近山が違うのは、主催者が分譲団地の管理組合だということです。URなどと違って、分譲団地は、合意形成に大変に苦労します。実は、左近山管理組合から、私が理事を務めている日本建築学会にコンペの後援依頼がきたのですが、学会でも民間からこうした依頼が来た例がないので、困っていました。私が関与しているということで、長文の文章を書きました。民間の分譲団地は、老朽化していて部分的に、投資しないと日本の団地はほろんでしまう、と書きました。本来、行政や公的機関が実施すべきだが住民が身銭を切って、こういうコンペをやることを応援することは、日本の今後の社会にとって重要であると、切々と訴える文章を書き。学会もようやく理解してくれました。 最終審査に残った9作品は、珠玉のものばかりでした。今回のコンペは、大変欲張りで、全体の団地再生のマスタープラン、また空き家問題を解決するアイディアを出さなければいけない、しかも広場の設計と試算もしなければいけない。3つを同時に、一つのコンペに盛り込んだが、こうした欲張りは、住民が身銭を切ったコンペだからです。一般のコンペは、設計事務所一社で、応募すればいいが、今回は、造園、ランドスケープ、建築、などにわたるので、一つの事務所だけでは,面子が足らない、専門性が足らないというので、アライアンス(連合)を組んで、いくつかの事務所が組んで応募せざるを得なかった。 昭和の時代は、設計事務所は設計だけ、ランドスケープ事務所はランドスケープだけ、造園をどうするかを考えればよかった。個別縦割りでやってきました。どうやらそうではいかなくなってきました。団地の組合のように、生活全体から出てくるニーズに、建築とかランドスケープとしてどうこたえるのか、きわめて総合的な課題に取り組まなければいけなくなってきています。我々、建築とか街づくりとか空間づくりにたずさわってきた人たちは、20世紀にやってきた人の何倍も考え、やっていかなければいけない、誠に厳しいが、しかし、楽しい状況かもしれません。 |
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本日、出てきた案は、一つ一つ珠玉の案ですが、こういう案が出てもいいかなと思ったのは、専門性のつながりがあった方がいいと思ったのと、福祉とかファイナンスの問題とか、区分所有法に縛られている団地の制限を、法制度的にどう乗り越えてゆくかとか、ソフトの領域で、アライアンスを組んで提案すると、審査委員の半分以上は、おじさん、おばさんなので、そういうひとたちの日常性にぐっぐっと刺さるような案が出てきたのではないか、とも思います。 こうした住民発意型のコンペが広まって、日本中の、あるいは世界中の若者が参加して、住民が専門家から学び、専門家が住民から学ぶことができる。我々は、こうしたコンペを増やす仕事をしていかなければ、と思っています。 |
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(全管連事務局長・川上湛永) | |
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全管連とMKS(マンション計画修繕施工協会)の共催で、来年2月6日を最初に全国7都市でマンション大規模修繕セミナーを開きます。今回は、両団体で、ビンテージマンションプロジェクト実行委員会(委員長 山本育三・全管連会長)を組織、開催しますがビンテージマンションの概念が、日本ではまだ浸透していません。そこで、今年6月、アメリカ・ニューヨークなどの100年を超える長寿命マンションを視察に行ったMKS視察団の責任者として参加したMKS常務理事の中野谷昌司氏に、アメリカの100年を超えるビンテージマンションの現状を聞きました。また、住民が生涯に4、5回、マンション売買を繰り返す流通の問題、改修・補修のたびに行政当局に届け、行政も現場確認して、マンションの性能を維持・保全するアメリカのマンション事情をお聞きしました。全管連は、ことしマンションの長寿命化をめざすマンション再生法案を提唱、実現に向け各方面に、働きかける方針ですが、再生法にもつながる話です。 | |
(聞き手 全管連事務局長・川上湛永) | |
―日本では、マンションの歴史は半世紀を超えたくらいですが、アメリカでは100年を超えるようなマンションが数多くある、それを視察してきたわけですね。 ニューヨークとロサンゼルスを主にみてきました。中心部のマンションが主でしたが、やや郊外型のマンションも見てきました。アメリカでは、マンションの残存年数を見るという考え方が参考になりました。例えば40年目に大規模な改修をおこなったとすると、残存年数はあと30年、とする。つまり、そのマンションは、70年はもつ、ということですね。マンションの残存年数を30年単位でみるという考えですね。日本では、不動産鑑定士、不動産会社などが中古マンションの価格を決めるのは、取引事例法ですね。まわりが下がったから、このマンションもこれだけの価格です、となる。 | ![]() 日米の違いを語る中野谷常務理事 (港区西新橋のMKS) |
-日本でいう修繕履歴の管理方法と異なり、独特ですね。 「部屋のキッチンを取り替えるにも、ニューヨークなら、市にまず申請する。工事がちゃんとやられているかどうか、市の建設局の職員が検査に来る。そして、市にそのマンションの履歴が残る。不動産会社は、それを見て、不動産評価の鑑定をして、価格を決めるわけです。キッチン一つくらいなら、申請を出さなくてもいいのでは、と聞いたら、それをしたら資産価値が下がるから、きちんと申請してください、となるわけです。 -市のチェック、事前の届け出が徹底しているわけですね。 例えば、配管業者が一つの部屋の配管工事をするときに、このように配管が劣化しているから、こういう工事をしますよ、とすると、市はそれでは、配管が全部だめになるから、全部取り替えたらという話になる。新築の許認可をするのにも3年から4年かかるそうです。新築でも、長期修繕計画まで作成してやり取りするから、時間がかかるわけですね。 -実際の改修工事は、コンサルタントがいて、改修業者が手掛けるという流れは同じですか。 同じですね。ただ、マンションの場合、内装、リノベーション含めて、女性の方が、奥様方に受ける提案ができるということで、女性をどんどん活用しています。 ―あちこち見て、やはり100年前のマンションは、100年前のデザインだから格調高いが、古くさいイメージをもたれることはありますか。 古くさいが、アメリカのつくりは、おおざっぱさが、逆に効を奏しているというか、古さを感じさせない。味があっていいという見方もある。特にエントランスホールなんかがそうですね。マンションの管理室なんかも、日本のように狭い1室に管理人を閉じ込めているのではなく、オフィスですよ、そこで若い女性がどんどん活躍している。若い女性が、マネジメントでも、ばりばりやる。自分の給料の値上げ交渉も、管理組合と行う。これだけ仕事したから、これだけアップしてくださいと。 -アメリカの管理会社は、ビンテージマンションとかかわっていますか。 結構かかわっています。長期修繕計画も、毎年、見直しを管理会社が、どこがどう傷んで、いつごろ何を直すか、管理組合にレポートを出すわけです。改修計画が現実と乖離していると、その長期計画を作った人は、訴訟を起こされる。今回、話を聞いた担当者は、20件くらい訴訟を受けていると話していました。アメリカは訴訟社会なので、下手なことをやると、すぐ訴訟を起こされるようです。 -アメリカというと、超高層のイメージが強いですが、そこでもビンテージマンションがあるのですか。 20~30階の超高層で、100年を超えたところもある。古い建物への愛着がありますね。古くなっても古さを感じさせない。それが味があっていいという見方がある。特にエントランスホールは、改修を繰り返して大事にしています。 それと、マンションのある地域のコミュニティが資産価値を上げています。あそこに住みたいというコミュニティが資産価値を上げている。要するに、地域コミュニティが非常によくできていて、近くにいい学校がある、管理がしっかりしていて、というと価値が上がる。アメリカでは、マンションを4、5回くらい買い替えるのが普通です。元のマンションが高く売れるから、ということもあって買い替えが頻繁です。親元を離れるとき、結婚したとき、子どもが生まれたとき、子どもが巣立った時と、買い替えるようです。 ―日本だと、転売すると、費用もかかるし、税金もかかる。 例えば、ニューヨークでは、譲渡益は6千万円まで、無税ですね。日本だと、経年すると価格が下がってゆく。アメリカでは、価格が下がらないから、次の、マンションの購入がやりやすい。流動性があるということです。日本でも、東京の表参道などに半世紀前の900万円のマンションが9千万円にもなったマンションがありますね。アメリカでは、エリア管理がされ、町並みがいいとか、コミュニティがしっかりしている、防災対策がしっかりされているというようなことを、評価の対象にしている。マンション単体の価値もそうだが、地域コミュニティが資産価値向上に寄与しているという考えですね。 ―ビンテージへのこだわりを、住民がもっているということですね。 そうですね。マンション単体でも、大きなマンションでは、10人くらいのメンテナンス要員がいて、常日頃から日常の補修、点検をする。管理会社は、それをしながら、マンションの維持管理をやっている。だから、管理費は、月4~5万円は戸当たりかかる。それが払えるのは、マンションが高く売れるからです。 ―ところで、MKSが中心になって、ビンテージマンション協議会を結成しますね。 マンション関係の団体に入ってもらって、全管連さんにも加わっていただきますが、16年春には立ち上げます。例えばマンション流通ひとつにしても、肝心の共用部全部の鑑定はされていない。だから、相変わらず取引事例法だけです。ニューヨークの履歴管理のように、何をどう変えたかの評価基準を決めて、わかりやすい形で、設計事務所の先生にも評価できるようにする。共用部分の年数も、アメリカの残存年数評価ではありませんが、例えば一番大事な、コンクーリートの中性化を調べて、あと何年は問題ないとする方法などができれば、みなさんの考え方が変わってくる。協議会を立ち上げたら、ホームページに、管理組合さんにも、いろんな情報を提供できるようにします。ビンテージマンションにするための調査・評価をいずれ進めてゆきたいと考えています。 |
全国マンション管理組合連合会、マンション計画修繕施工協会(MKS)は、2016年2月6日から3月12日まで、大阪、広島、名古屋、札幌、仙台、東京、福岡の全国7都市で、マンション大規模修繕セミナーを開催します。入場は無料で、各会場では、セミナーのほか、全管連、MKSが相談ブース、展示コーナーを開設し、大規模修繕を中心とした相談を受け付けます。
今回のセミナーは、今年6月、MKSに参加する改修業者代表などが、アメリカ・ニューヨーク市などの100年を超えたマンション(ビンテージマンションともいわれます)を視察した結果の報告(第2部)も行われ、長寿命化したマンションの維持管理のあり方等、貴重な講演もあります。
一方、第3部では、全管連が取り組むマンション再生法に関連して各地のマンション管理組合が、築30年超えの高経年マンションの大規模修繕に取り組む具体的な事例の報告が行われます。
例えば、東京会場では、横浜・若葉台団地で取り組む100年マンションを目指した団地ぐるみの取り組み、その一環として大規模修繕の工事周期を従来の12年前後から、18年周期に延ばす計画を披露する予定です。
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全管連は11月6日、法務政策委員会を東京の事務局で開き、国交省のマンション管理適正化指針及びマンション標準管理規約改正案に対するパブコメ案を検討した。その結果、標準管理規約からのコミュニティ条項削除に反対し、存続すべきだ、マンションの管理方式で、現行の理事会を中心とした管理方式のほかに、第三者管理というべき外部専門家総会監督型の提示は、すでに定着した管理方式に混乱を与えるとして、別建てにすべき等を指摘している。パブコメはすでに国交省に提出した。(事務局長・川上湛永)
NPO法人全国マンション管理組合連合会(全管連)は、2015年9月 28日に大阪市内で開いた通常総会で、建替えによらず既存マンションの改良・改善により、100年を超える長寿命化を目指す「マンションの改良による再生等を円滑に促進するための法律(案)」を全会一致で可決した。昨年の通常総会で法案策定の検討が承認され、昨年12月から今年6月まで、外部専門家を招いて、検討委員会をつくり、検討してきた。 法案の趣旨は、築30年を超える高経年マンションが全国で150万戸を超える一方、居住者の高齢化、年金生活者の増大、建築規制のハードルの高さなどで、建替えの困難さがますます高まる中で、建替えより、既存マンションの改良・改善による長寿命化を目指す。 マンション建替えは、これまで、全国で202件の事例(阪神淡路大震災による建替えを除く)しかない。ほとんど実現性の薄い建替えによる経済的効果より、大規模修繕等による改良・改善を図る長寿命化の方が、経済的効果が高いと判断する。また、建替えの合意形成の難しさ、既存建物の取り壊しによる消費エネルギーの増大、建替え期間中の住み替えの煩雑さなど住民への負担の大きさも看過できない。 法案では、改良・改善を図るうえで、現行の区分所有法等の議決権では、改良・改善が円滑に促進されないことから、改良・改善工事を進める上での議決権の一部の緩和を求めているのが特徴だ。 全管連では、今後、法案への理解を深め、実現を訴えるため、国交省、各政党、マンション関係団体、マンション管理組合団体、消費者団体などに幅広く働きかける。
全国マンション管理組合連合会とマンション計画修繕施工協会(MKS)が共催するマンション大規模修繕セミナーの皮切りになる東京会場のセミナーが、2月2日、東京・千代田区丸の内の東京国際フォーラムで、開かれた。管理組合役員など194名が出席、盛況だった。 200人定員の会場は、30分前から参加者が集まり、定刻にはほぼ満員に。セミナーでは、まず第1部で、「安心のための瑕疵保険とは」のテーマで、国交省住宅局住宅瑕疵担保対策室の勝見康生企画専門官が、大規模修繕工事に伴う瑕疵保険の特徴、構造耐力上主要な部分など保険対象部分と保険期間、保険支払の対象となる費用などについて詳細に説明いた。 | ![]() 会場は満員の盛況 |
![]() 大規模修繕工事の事例を報告する 清瀬旭が丘団地の福間健一郎さん |
第2部では、中野谷昌司・MKS常務理事が、「安心できる大規模修繕工事の進め方」について約1時間講演。タイル、モルタルの浮き、鉄部の劣化現象など経年劣化による現象を説明した後、管理組合の工事発注の注意点、資金計画、工事費予測などの基本を解説、さらに、長期修繕計画策定の必要性を強調した。また、築45年、築60年で建替えるとすると、45年では一時金が3500万円必要となり、月64800円の負担となる。60年では3700万円、月51400円の大きな負担となり、建て替えより新築マンションを購入する方が、問題解決は早いとし、計画修繕でマンションの寿命を延ばすことの必要性を説いた。一方、国の住生活基本法と住生活基本計画に照らして、これからのマンション修繕工事では、耐震対策、省エネ、防犯対策、高齢者対策、グレードアップ工事などが求められると締めくくった。 |
築46年団地が、住民合意を優先する事例を報告 | |
第3部では、「大規模修繕工事に取り組んでみて」として、NPO日本住宅管理組合協議会(日住協)の清瀬旭ヶ丘分譲団地管理組合法人の福間健一郎修繕委員長が、昨年春から取り組んで7月に竣工した第4回の大規模修繕工事について講演した。 同団地は、築46年、旧公団分譲、RC5階建て、8棟、250戸、修繕工事の事例をパワーポイントを使用して説明した。工事は、玄関扉の交換、下地を高圧洗浄で剥離しての外壁塗装、屋上の断熱工事、窓サシュの交換などの総合的な大規模修繕工事。同団地では、今後30年は、定期的に修繕しながら団地をもたせ、「当面は建て替えない」として、住民の合意を取り付けた。30年間、安心、安全に暮らし続ける団地づくりをコンセプトとして、資金作り、大規模修繕計画の策定と一貫した姿勢を、明快にした。 | ![]() 日住協の管理組合相談コーナー 熱心な相談が相次いだ |
近い将来予測される首都直下大地震に際して動くとされる立川断層に近いが、東京都の危険度測定などで、建物の倒壊危険度、火災の発生、延焼の危険度では、都内でも一番に近い低レベルであることから、旧耐震団地だが耐震工事は見送り、団地改善、改良を優先する方針を確認するなど大胆な方針を決めた、と報告した。同団地では、大規模修繕工事の終了後に、効果、問題点を検証して、計画修正、長期資金計画を柔軟に見直してゆくとし、住民に問いかけながら団地の暮らしを守る姿勢を強調した。 会場前では、MKSなどとともに、日住協が管理組合相談コーナーを設け、セミナー開始前、終了後に、日住協理事ら6人が対応、管理組合6組の相談に応じた。 |
マンション管理組合などを対象としたマンション大規模修繕工事のかし保険のPRとマンション大規模修繕の進め方などのセミナーが、2月2日から3月15日まで、東京、大阪、名古屋、仙台など全国7都市で開催されます。
主催は、全国マンション管理組合連合会、MKS(一般社団法人マンション計画修繕施工協会)で構成するマンション大規模修繕セミナー実行委員会で、各会場とも入場無料です。
セミナーは、今回で4回目、国交省の助成事業です。今回のセミナーは、3部構成で、1部は、大規模修繕工事に付保するかし保険の仕組みなどを国交省の担当管などが説明します。2部は、大規模修繕工事の進め方についてMKSの中野谷昌司常務理事が解説します。3部は、全管蓮加盟の管理組合が、「大規模修繕工事に取り組んでみて」として、最近実施した大規模修繕工事の事例を報告します。
たとえば、2月2日の東京会場では、昨年、サッシ、玄関ドアなどを交換した清瀬旭ヶ丘分譲団地管理組合法人(250戸)が、総会での合意形成、予算など計画づくり、修繕工事の実施、終了後からの30年間の長期修繕計画づくりなどを詳しく報告します。 また、各会場では、大規模修繕工事に際してのかし保険のかけ方、疑問などの相談に応ずる無料相談コーナーも開設されます。 日程と会場は以下の通りです、時間は、12:30ー16:00です。申し込みは、開催日の15日前までに、Faxまたははがきで。チラシ参照。
セミナー事務局 10:00~17:00 土・日・祭日はお休みです。
0120-640-300
2月2日 (日) 東京(東京国際フォーラム)
2月15日(土) 大阪(大阪国際会議場)
2月16日(日) 名古屋(名古屋国際センター)
2月22日(土) 仙台(仙台サンプラザ)
3月1日 (土) 広島(県立広島産業会館)
3月2日 (日) 福岡(エルガーラホール)
3月15日(土) 札幌(札幌コンベンションセンター)
大規模災害で損傷した分譲マンションの解体や敷地の売却を容易にする被災マンション法の改正が6月19日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。 「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」で、被災したマンションの解体や敷地の売却には、これまで区分所有者の全員の同意が必要だったが、改正による区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で決議できるようになった。
また、被災地での借地、借家について取り扱いを定めた「罹災都市借地借家臨時処理法」も改正された。借地権の目的である土地の上の建物が滅失した場合、借地権者は、地上権の放棄、又は土地の賃貸借の解約を申し入れができる、など借地権の保護が定められた。また、被災地において存続期間を5年以下とし、かつ更新のない借地権の設定を認める被災地短期借地権が新設された。
南海・東南海、東海地震が同時発生、M9級の地震となれば、津波等で32万人余の犠牲が出ると政府が予測しています。一方、首都直下型地震は4年以内に70%の確率で発生すると予測されるなど、大地震の切迫が懸念されています。そうした大規模な被災予測に対応して法務省は、区分所有建物の再建等に関する特別措置法、罹災都市借地借家臨時処理法の改正について、法制審議会に部会を設け、見直し作業を行いました。
部会(会長・山田誠一神戸大学教授)では、昨年9月からことし1月まで、9回にわたって審議が行われました。2月に、両法の要綱案が作成され、今国会に改正案が上程されました。4月8日には、閣議決定され、今国会での成立を目指しています。
審議会には、被災地代表としてNPO東北マンション管理組合連合会から、佐藤正芳理事が委員として、全9回の審議に参加しました。マンションの居住者として、また、被災地の住民として審議に加わり、被災関連法が見直される過程を見つめてきました。住民の視点からは、現実とかけ離れた論議の一面、あるいはさすがという指摘、論議もあったようです。
ふたつの被災関連法の要綱案と全9回の議事録の概要を掲載しました。議事録には、佐藤理事の「管理組合団体から見た視点」を加えてあります。佐藤理事のつぶやき、疑問などが表現されています。(全管連事務局長・川上湛永)
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法の見直しに関する要綱案
罹災都市借地借家臨時処理法の見直しに関する要綱案
茂木経産相にマンションの電力問題で要望する山本会長ほか=経産大臣室
全国マンション管理組合連合会(山本育三会長)は2日、茂木敏充経産相に会い、マンションの共用部の電気料金体系の不合理の是正、既存マンションに一括高圧受電を導入する際にマンション借室内の変電設備を、電力会社が管理組合などに適正な価格で払い下げてほしい、などの要望を申し入れた。これに対し、茂木経産相は、(借室の変電設備は)譲渡について電力会社に指示してある。価格が問題だが適正な価格になるようルールつくりをしたいとして、と前向きな姿勢を示した。
マンションの開放廊下の電灯など共用部の電力料金について、専有部のような夜間の優遇措置がとられていないことの是正を要望書では求めているが、茂木大臣は(問題の所在は)分かっていると理解を示した。
また、昨年の電力料金の値上げ以来、民間の一括受電会社に委託、一括高圧受電を導入してマンションの電力料金の負担を5~10%軽減する管理組合が増えているが、その際、電力会社は借室(無償で電力会社が借りているマンション敷地内の施設)内の変電設備を払い下げないのが原則で、マンションによっては、2千万円前後の負担となっている。一括受電の普及を阻んでいる要因のひとつだが、茂木経産相が、譲渡の方向を打ち出したことで、管理組合の負担軽減、変電設備の再活用が図られることになる。譲渡について、東京電力は、撤去した変電設備は再利用している、払下げはできないと拒否していた。
また、茂木経産相は、ビルや工場、家庭と同様、マンションのエネルギー使用の最適化をはかるマンション向けMEMS(マンションエネルギーマネジメントシステム)の推進を図ってゆくと強調した。節電や省エネにつながるシステムだが、経産省は、このシステムの導入に、12年度補正予算に130億円の予算を要求している。
既存マンションについても、スマートメーターの導入、一括受電の導入などで電力使用の最適化を図るシステムの導入が計画されている。
太田国交大臣に意見書を説明する山本会長(手前)=国交大臣室で
全管連(山本育三会長)は、3月21日、太田昭宏国交相と面会、外部の専門家を活用したマンション管理方式について反対する意見書を提出した。大臣からは明確な回答はなかった。全管連は、標準管理規約の改正を検討している国交省の「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」の論議は、理事長・理事会方式以外に5つもの方式を提示するなどマンション管理の現場を混乱させるもの、として今後も反対してゆく方針だ。
申し入れで、全管連の主張に対して、太田大臣が、井上住宅局長に事情説明をもとめたところ、「検討会では、管理方式の様々な選択肢を検討している」と井上局長が説明したのに対して、山本会長は、「標準規約をいくつも提示することは、マンション管理の現場に混乱を招く」と、指摘した。
太田大臣への意見書では、「外部管理者理事会監督型」及び「外部管理者総会監督型」は第三者管理者管理方式そのものであり、現行の標準管理規約の枠組みを大きく外れるもの、と指摘している。また、外部の専門家の定義は、定着しておらず、専門家として、管理業者、マンション管理士、弁護士、管理組合連合会などを挙げているが、一定の意味でマンション管理の知識や技術を有するが、それが直ちに、「マンション管理の専門家」といえるかどうか、不確定だ、としている。
国交省が昨年1月から設置した「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」が、標準管理規約からコミュニティ条項を削除する検討を進めているが、全管連に参加する日本住宅管理組合協議会、京滋マンション管理対策協議会、かながわマンション管理組合ネットワークの3団体が、それぞれ削除に反対する声明を公表した。検討会の検討の方向が、管理組合の目的は、財産管理に限定すべきであり、コミュニティ活動は自治会などに任せる、としたことに対して、反対を表明している。
今回、3団体がホームページで反対表明したが、19管理組合団体が参加する全国マンション管理組合連合会((山本育三会長)も、標準管理規約からコミュニティ条項を削除することに反対の姿勢を堅持しており、今回は、各団体がそれぞれの場で、それぞれの方法で反対表明することとした。
3団体の声明は、以下の通り。
NPO日住協の「声明」 標準管理規約からコミュニティ規定の削除をねらう動きに強く反対する
NPO 法人京滋マンション管理対策協議会 標準管理規約からコミュニティ条項を削除することに反対する声明
神管ネット 標準管理規約の「コミュニティー規定」はマンション管理の基本
特定非営利活動法人全国マンション管理組合連合会(全管連)は、1月18日に東京・神田の本部で、第3回理事会を開き、国交省が昨年1月から設置して、マンション標準管理規約を改定する「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」(福井秀夫座長)において、論議されている第三者管理方式が、外部の専門家を活用したマンション管理を導入しようとしているのは、マンション管理の現場に混乱を導入する危険性があるとして、これに反対する意見書をまとめ、国交省に申し入れることを決めた。
意見書では、検討会が公表した8回にわたる議事録によれば、以下の問題点が指摘できるとしている。
マンション管理の選択肢の多様化等のイメージで、6つのパターンを示し、現行標準管理規約の理事会方式とは、異なる「管理者方式」を表示するのは、この方向に誘導させる意図が見え見えである。
とくに、昭和57年の区分所有法改正で、管理のための団体規定が導入され、管理組合が法的にも根拠づけられた。こうした経緯から、唐突に管理者管理方式を打ち出すのは、わが国のマンション管理の歴史と現実を無視した行為である。
6つのパターンのなかで、3番目の管理組合の代表者である理事長とは別に管理者をおき、理事会が管理者を監視する方式は、理事長(代表者)と管理者(代理人)との法的関係、権限分担などで議論を呼ぶのは必至である。
一方、4番目の理事会を設置せず管理者が全責任を負う完全管理者管理方式は、一部投資用マンション、リゾートマンションなどで一部の管理業者などが実践している方式で、区分所有者の権利を阻害する問題点を抱えている。
全管連では、昨年5月、検討会の審議にたいして、管理者方式の問題点について、当時の国交相に、第三者管理方式については、理事長・理事会方式の原則を守るよう申し入れたが、今回、議論の内容が明らかになり、問題点が明確になったことから、意見書提出を決めた。
「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」への全管連の意見書 ―「外部の専門家を活用したマンション管理のパターン」議論に関して
第64回全管連代表者会議は、10月15日(月)東京都立産業貿易センター浜松町館で開催されました。
この代表者会議において、かながわマンション管理組合ネットワーク会長の山本育三氏を全管連の第7代会長に選出しました。
山本氏は、この間、全管連において、マンション再生法制定に向けた取り組みの先頭に立って奮闘してきました。再生法制定の取り組みは、全管連にとっても10年越しで取り組んでいる最重要課題であり、山本新会長になって一層の進展が期待されています。
なお、6期13年にわたって会長を務めた穐山精吾前会長には、前日の懇親会の席上、瀬野尾嘉明理事から、また鎌田坦前副会長には石川靖治理事からそれぞれ感謝の記念品が贈られました。
今回選出された山本新理事会は、1986年4月の第1期から数えて15期目、法人になってから5期目の理事会となります。新理事会メンバー及び監事は次のとおりです。
今回の代表者会議では、福管連の退会が承認されたほか、加盟各団体の会員管理組合数も減っているという全管連にとっては、厳しい状況の中で開催された。マンション管理に関わる団体が増えるなか、管理組合団体の存在価値が問われる時代になっており、全管連及び加盟各団体が管理組合団体としての社会的役割をしっかりと果たしていくことが求められていることが確認された。
第三者管理への対応をめぐって真剣な議論が交わされましたが、結論を出すためには、もう少し時間をかけて議論することが必要との認識が出席者に強く、その結果、法務・政策問題専門委員会で引き続き議論されることになりました。そのほかの問題も含めて議論された結果、2012年度の活動方針として次のような取組みが採択されました。
奥田副大臣に要望する穐山会長と瀬野尾理事
(2012年5月31日 於・国交省副大臣室)
要望書提出に国交省から副大臣以下5名、全管連から3名が出席。
全管連は、去る5月31日「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」に関する要望書を、国土交通省の奥田建 副大臣に提出いたしました。今回、私たちは、要望書を直接、前田武志国土交通大臣に手渡すことを追求しておりましたが、前田大臣に問責決議が出され、それが可決されたことにより、大臣の立場が極めて不安定な状態になったため、副大臣への提出となりました。
今回の要望書提出は国土交通省の副大臣室で行われ、その場には次の人たちが出席しました。
また、今回の副大臣への要望書提出にあたって、仲介の労をとっていただいた三井辨雄前国土交通副大臣も、私たちを、直接、奥田副大臣に紹介していただき、同席していただきました。
片寄った議論を正すこと及び社会資本整備審議会が提起した課題に応えることを要望
要望書提出時に約20分程度、副大臣と話しをさせていただきました。私たちの方からは、 要望の中身と、なぜこのような要望を出すに至ったのか、という理由など概ね次のような説 明を行いました。
※この検討会はこれからのマンション新たな管理ルールを検討するという重要な会議である。
※それにもかかわらず、議論の前提として「管理組合は財産管理団体である」と一面化し、 居住環境の向上やそれに関わるコミュニティ活動などは、自治会業務であるとして排除 するなど非常に片寄った議論を行なっている。
※こうした財産管理に一面化するような管理の方向性は、居住環境の向上を目的としてきたこれまでの国のマンション政策(マンション管理適正化法や標準管理規約等)とも矛盾してくる。
※また、今後の国のマンション政策の基本になると考えられている平成21年3月に発表された社会資本整備審議会答申「分譲マンションストック500万戸時代に対応したマンション政策のあり方について」が提起している二つの課題
※答申に示されたこういった具体的な課題に、 これまでの検討会の議論は触れていない。早急にこういった基本的な問題に関する議論を行い、具体的な方向を示すべきである。これに対し、奥田副大臣からは次のような発言がありました。
※マンションの現状は高経年マンションが100万戸を超え、それらのマンションで役員のなり手不足などから管理組合の運営が難しくなっている。そういう状況を解決していくためには、管理の手法もそれぞれのマンションの状況に応じて多様な手法が必要になってくる。今回の検討会は、そうした課題に応えるため多様な事例を検討して、具体的な管理の手法を編み出していきたいと考えている。そういう中で専門的知識を有する専門家の活用も非常に重要なテーマであると考えている。
3月15日(木) 前田武志国土交通大臣あての意見書を川本正一郎住宅局長に手渡す全管連・穐山精吾会長と高管協・黒住昌昭理事長
今年1月10日から国土交通省において、「新たな管理ルールに関する検討会」が始まりました。そこでは、従来の区分所有者が管理組合の役員になって理事会(執行機関)を構成するという管理組合理事会方式ではなく、区分所有者ではない第三者である専門家が役員になる第三者管理方式が検討されています。
これに対して全管連は、管理会社の団体である社団法人高層住宅管理業協会と連名で、3月15日に、全管連・穐山精吾会長と高管協・黒住昌昭理事長が、前田武志国土交通大臣あての意見書を提出しました。この意見書は、現在進められている第三者管理方式の検討に対して、次の二つの点を意見として主張しています。
前田武志国交大臣に提出された第三者管理方式に対する全管連と高管協の連名意見書
プログラム
[復興支援セミナー参加の呼びかけ]
発災から早や7ヶ月が経過した東日本大震災ですが、被災したマンションの復旧・復興は残念ながら進んでいません。その原因は一つではなく、様々な原因が複合していると言われていますが、やはりこの大震災の復旧・復興を牽引する国の力強いリーダーシップが欠けていることが、最大の要因と考えられます。
そうした中で、全管連では10月16日(日)に被災地仙台で被災マンションの復興支援セミナーを開催いたします。発災から7ヶ月が経過した現時点の被災マンションの状況や震災発生時に被災マンションの人達がどのように行動したのか、また復旧・復興に向けた工事への取り組みがどうなっているのか、などについて現場の人達から報告を受けます。
また、全国のマンション居住者から被災マンションの人達に寄せられた義援金をお渡しするほか、被災マンションの速やかな復旧・復興を求める集会決議を採択して、関係機関に要望していく行動を展開して予定にしております。
被災マンションの復旧・復興に心を寄せる多数の皆さんの参加を呼び掛けます。
マンション再生法の中身のうちで、特に再生に向けた改修技術の問題に取り組むために設けられたマンション再生法技術懇談会は、現在、年間4回ペースで進められており、これまでに5月と8月に開催されています。
この再生法技術懇談会には、全管連を含めて9団体・13名がメンバーとして参加しています。参加団体は管理組合団体の全管連のほかに管理会社の団体やマンション改修に携わる技術者の団体、施工業者の団体、さらに日本マンション学会などの学術団体などが含まれています。
2回目の会議は、去る8月24日に東京神田の日住協会議室で開催されました。この会議では、再生を担う技術者、研究者の養成にどのように取り組むべきか、について話し合われました。技術者の養成の方法としては、研修機関を設置して6ヶ月から1年程度をかけて研修を行うという内容で、ほぼまとまりました。また、研修者のモチベーションを高めていくためにも改修技術の資格を設けることも話し合われました。研修の具体的なカリキュラムの企画は、プロジェクトチームを立ち上げて、そこで検討していくことになりました。
次回第3回会議は、11月16日(水)に行われることになっており、再生の事業体制について、検討する予定になっています。
国交省の平成23年度マンション再生環境整備事業の採択結果が、9月20日に発表されました。
全管連関係では、東北管連と大阪の集合住宅維持管理機構の事業が採択されました。
この事業は、持続可能なマンションの維持管理を行う環境を整備するため、専門的な知識やノウハウをもってマンション管理組合の活動を支援する法人等の立ち上げ等を支援し、総合的なマンション再生に関する相談体制を構築することを目的としています。
去る3月30日から4月27日までの応募期間内に、33団体・35件の応募の中から6団体・6件が採択され、うち2団体・2件が全管連関係でした。
このうち東北管連が行う事業概要は、「東日本大震災により罹災した管理組合を主対象とした、マンション再生に関する電話相談、専門家派遣の実施」となっています。
行政的課題専門委員会(伊藤智恵子委員長)は、このほど全管連加盟各団体に対して、「耐震化に関するアンケート調査」を実施しました。
これは、東日本大震災をきっかけに、各マンションにおいて耐震化への関心が高まる中、行政の耐震助成制度の不合理性も明らかになってきたことによるものです。
アンケートの中では、耐震化について国や地方自治体への要望事項も尋ねています。なお、この調査結果は、10月17日に仙台で開かれる第63回代表者会議の場で発表される予定です。
全管連第62回代表者会議(於・浦和ワシントンホテル)
全管連の第62回代表者会議は、当初の予定どおり4月18日(月)にさいたま市浦和区の浦和ワシントンホテルを会場に開催されました。今回の代表者会議は、3月11日に発生した東日本大震災で多くの会員マンションが被災したことに対する復興支援策を検討すること及びマンション再生法制定に向けた具体策への取り組みなどを中心に、加盟19団体の代表者が出席して、活発な議論が行われました。
東日本大震災に対する復興支援策として、全管連として被災マンションに対する義援金を募集すること及び今秋に仙台で復興支援集会を開催することを決めました。また、昨年1年間取り組んできて、3月9日の全国集会が成功裡に開催できたことで、マンション再生法に対する活動は、第2段階に入ったことを確認しました。今後は、法案の具体化に向けて、他のマンション関連法との整合性をつけていく問題や技術面の課題などに取り組んでいくために、関係団体との定期協議を行なっていくことなどを決めました。
マンション再生法の技術的な課題を検討していくために、第62回代表者会議において「マンション再生法技術懇談会」を設置することが決まりました。これは、マンションストックの長期使用を目的にした改修技術の確立やそのための専門的研究機関の設置、さらにはそれを担う研究者や技術者の養成といった課題の整理と、それを法案にどのような形で盛り込んでいくのか、といったことを検討していくために設置されました。
この技術懇談会のメンバーには、これまでマンション計画修繕などに現場で携わってきた技術者団体や施工者団体の人たちにお願いすることになっています。この会合は、今後定期的に開催し、法案の中身を詰めていく予定になっています。第1回の会合は次の予定になっています。
◆第1回マンション再生法技術懇談会
日時:5月12日(木)13:30
会場:NPO日住協会議室(千代田区神田須田町1-20東京製麺会館4階)
テーマ:マンション再生法の技術的課題の検討
生かされたマンションコミュニティの力
3月11日の地震発生から間もなく1ヶ月が経過しようとしています。今回の東日本大震災とその被災地域には、東北管連の会員マンションを中心に、多くの全管連加盟マンションが存在しています。マスコミ報道が、海岸部の津波被害の報道に集中するなか、仙台都心部に数多く立地するマンションの被災状況は、なかなか見えてきませんでした。そうした中、去る3月23日~24日と全管連の谷垣事務局長が、仙台を訪れマンションの被災状況を調べてまわりました。
その結果、巨大地震であったにもかかわらず、建物の被害は阪神淡路大震災の被害よりも軽く、調べた中には大破はなく、ひどいものでも中破レベルの被害でした。いっぽう関東地区の千葉県浦安や横浜市の金沢八景などが液状化に見まわれ、こちらも深刻な被害が出ております。
再生法制定をめざす議員集会で挨拶する三井辨雄国土交通副大臣(於・参議院議員会館)
マンションの建物を長く使い続けることとコミュニティの継続的な成長をめざすマンション再生法の制定をめざす全管連は、去る3月9日(水)に昨年5月から展開してきた再生法制定に向けた第1段階の活動の締め括りとして「マンション再生法制定をめざす議員集会・全国集会」を開催しました。
同日午後2時から参議院議員会館B101会議室で開催された議員集会には、4政党から8名の国会議員(内2名は代理出席)と全管連加盟16団体から30名が出席して行われました。各党議員からは、マンション再生法実現に向けて熱気あふれる意見表明が行われました。
また夜の全国集会には、会場が満席となる120名が参加し、国会議員も3党から4名が出席され、ごあいさつとマンション再生法に向けた意見表明をいただきました。
>>マンション再生法制定をめざす議員集会・全国集会(PDFファイル)
4月1日に第1回が開催された国交省のマンション管理研究会委員に、全管連から山本育三・神管ネット会長が就任し出席しました。
第1回は「第3者管理方式の事例報告」ということで、日本マンション管理士会連合会の親泊哲会長が報告を行いました。
日時:2011年3月9日(水)18:30~20:30
会場:日本教育会館7階707号室
主催:NPO法人全国マンション管理組合連合会
参加費:無料
全管連は、マンションに長く住み続けられることをめざして「マンション再生法(仮称)制定」を昨年来提言しています。これは、マンションが古くなって生活様式の変化に対応できず、不便な生活を強いられたり、電気や給排水設備など住宅としての性能や機能が相対的に低下してきたりするなどの、高経年化に伴う問題に対し、壊して建替えるのではなく、住み続けながら改修を行うことによって、住み良い住環境を整えていこうというものです。 そうした活動の一環として、来る3月9日(水)に東京一ツ橋の日本教育会館において、「マンション再生法制定をめざす全国集会」を開催します。「マンション再生法(仮称)」は、スクラップアンドビルドではなく持続可能なマンション管理によって、優れたコミュニティと住環境に支えられたマンションをめざしています。
3月9日(水)夜6時半から開催される全国集会は、マンション再生法についての説明のほか、各党国会議員からの意見表明及び関係各団体からもアピールをお願いしております。多数の皆さまのご参加をお待ちしております。集会内容、会場へのアクセス、参加申込書等は以下のとおりです。
問合せ先:全管連事務局 TEL:075-351-7421
(集会内容のご案内)
会場は東京神田一ツ橋の日本教育会館です。アクセスは次のとおりです。
(会場案内図)
参加申込みは、この参加申込書を全管連事務局あてにFAXしていただきますようお願い申し上げます。
(参加申し込みFAX用紙)
一昨年12月に国交省が認可した大規模修繕瑕疵保険の普及をめざす国交省補助事業「マンションリフォームセミナー」が2月26日の広島を皮切りに全国で開催されています。全管連は、このセミナーに協力し、セミナーの開催に合わせて行われる管理組合向け相談会に相談員を派遣しています。今後の開催予定は次のようになっています。
問合せ先:マンションリフォームセミナー事務局
〒104-0042 東京都中央区入船1-3-9長崎ビル7F
TEL:0800-222-7277(通話料無料)
国交省補助事業「マンションリフォームセミナー」の各地の開催予定
参加申込み:マンションリフォームセンター事務局まで 電話:0800-222-7277
国交省パブリックコメント「マンション標準管理規約改正案に関する意見募集」に応じて、全管連は、1月28日に意見書を提出しました。この中で特に「理事会権限の明確化」については、実質的には理事会権限の強化であり、総会の空洞化につながり、管理組合の主体性を損なう危険性を持つものであるという理由から反対意見を表明しています。
参議院選挙があって、マンション再生法(仮称)に関する各政党への説明が少し滞っておりましたが、去る6月25日には、公明党の井上義久幹事長と穐山精吾会長及び山本育三・省エネ・再生委員会委員が、議員会館で面談し、マンション再生法(仮称)の説明を行いました。
また、7月には、マンション再生に関する次の二つのセミナーとシンポジウムが開催されます。是非、多くの皆さんにご参加いただきますようご案内申し上げます。
『Zero Energy Residenceの研究』 公開セミナー
明豊エンタープライズ+早稲田大学高口研究室 共同研究
テーマ:マンションの外断熱改修による効果的な長期修繕計画を考える
一般社団法人日本マンション学会 法人設立記念シンポジウム
ストック型社会を目指してなすべきこと -マンションのより長寿命化と再生(改善)-
法務大臣政務官を務める中村哲治参議院議員(奈良県選挙区選出)が5月30日(日)午後、奈良県管連の事務所を訪れ、吉野喬会長や野村善彦専務理事はじめ5名のメンバーと、全管連が提案しているマンション再生基本法(仮称)について意見交換を行いました。吉野会長からは、「マンションが古くなってくると、建替えの話しが自然と出てくるが、高齢者は経済的な負担が苦しく、建替えに参加することが困難な人が多い、コミュニティの問題からも長寿命化して『終の棲家』としてマンションで暮らし続けられるようにしてほしい。」との要望と合わせて、再生基本法(仮称)の実現への協力を要請しました。中村政務官も「趣旨は十分理解できるので、今後も情報交換をしていきたい。」と述べ、協力を約束しました。その後、地元奈良県のマンション政策などやマンションの現場で起こっている問題などについて率直な意見交換が行われ、有意義な懇談となりました。なお、この懇談には全管連の谷垣千秋事務局長も同席しました。
『狙われるマンション』 山岡淳一郎著
朝日新聞出版刊 2010年5月20日刊
定価1575円(税込み)四六判並製/264ページ
購入:全国の書店及び全管連事務局(TEL:075-351-7421 FAX:075-371-1564)でも扱っています。
全国の現場を歩いた渾身のルポ。ベストセラー『あなたのマン ションが廃墟になる日』の著者が送る「警鐘と希望のルポ」。 「再生」が日本の住宅政策のキーワードだ!
[目次より] 第一章 狙われた団地/第二章 侵入する「第三者」/第三章 耐震偽装事件の危険な置き土産/第四章 超高層の胎動――コミュニティへ/第五章 マンション再生への道標――「ふたつの老い」を超えて
来年2011年には、築30年以上のマンションが全国で100万戸を超えるといわれています。高齢化が進んで、都会の限界集落と化したマンションも生まれています。古いマンションでは、管理が一層難しくなり、管理組合の運営をめぐるトラブルも経年数に比例して増えています。
本書は、そうした日本のマンションが抱える問題を、現場からリアルに描いています。建替えマンションでコミュニティが崩壊していく様、管理組合運営の現場で、専門家と称する第三者の介入によって混乱する管理組合と苦悩する理事長、耐震偽装マンションを購入した人々が遭遇した過酷な現実など、今、日本のマンションで繰り広げられている苦闘の様を鋭く描いています。
本書は、このような重い現実に対する警鐘を鳴らす一方で、コミュニティ不毛といわれた超高層マンションで生まれ始めている新しいコミュニティ活動と、そうしたマンションで胎動している管理組合による自主的な管理への取組みのほか、マンションを長寿命化して長く使い続けるための新しい技術の紹介や、そこでの共同居住をより高めていくための新しい共助の取組みなども紹介されています。それらは、蓄積された豊かなコミュニティに支えられたマンションの生活に対する大きな希望を十分に実感させてくれます。
著者は、本書において、「自治」と「再生」をキーワードにし、その実現こそが、マンションを豊かな生活空間に成長させていくものと語りかけています。その文脈の中で、今回、全管連が提言している「マンション再生基本法(仮称)」のことにも触れており、こうした試みが「時代を超えた羅針盤づくりのように見えてくる」と称賛しています。マンションに住まう人、そして管理組合活動に汗を流している人たちに是非読んでいただきたい一冊です。
著者プロフィール
1959年愛媛県生まれ。ノンフィクション作家。
『田中角栄 封じられた資源戦略』
『あなたのマンションが廃墟になる日』(草思社)
『医療のこと、もっと知ってほしい』(岩波ジュニア新書)
『成金炎上 昭和恐慌は警告する』
『マンション崩壊』(日経BP社)
『地球にやさしい家に住もう』(朝日新聞出版)など著書多数。
2010年5月11日(火) 国交省、環境省、自民党に対し提言を行う
4月19日、名古屋市において開催されました第60回全管連代表者会議において決議されました「マンション再生基本法(仮称)制定への提言」に基づき、5月11日、穐山精吾会長、谷垣千秋事務局長及び省エネ・再生委員会の山本育三委員の3名が、国交省マンション政策室の山崎房長室長を訪ね、前原誠司国土交通大臣あての提言書を手渡しました。3名は約1時間にわたって説明を行い、国交省側からの質問にも対応しました。
その後、環境省を訪問してCO2削減、省エネ化に向けた取組みとしてマンションの再生を目ざすことを説明しました。また、今回の再生基本法(仮称)制定に向けた活動には、各政党の理解と協力も当然必要であり、全管連は、国会に議席を持つ各政党に対しても今後順次、提案と説明を行っていくことにしています。 5月11日には、自民党マンション問題ワーキングチーム座長の菅義偉議員を訪ね、協力を要請しました。菅議員は、再生基本法の趣旨には賛同できるので、協力する旨約束していただいた。
2010年5月19日(水) 民主党に対し提言を行う
5月19日(水)には、民主党の国交省担当副幹事長の阿久津幸彦衆議院議員を、穐山会長と谷垣事務局長が、議員会館事務所に訪ねました。
阿久津議員も再生・長寿命化は前回の区分所有法改正の頃からの議論で、趣旨には賛同できるので協力したい旨おっしゃっていただいた。
穐山会長からは、マンション問題は超党派で取り組める問題なので、全管連としては、すべての党派の協力をいただく形で進めたいと述べました。 今回の提案は、地震など災害による建物の損傷や高経年化による建物の劣化などに対し、現在の国の政策が、建替えに偏っていることに対し、持続可能な建物管理を目ざし、環境保護と省資源化、高齢者・障害者居住の安定化などの観点から「再生」による長期使用を求めていくことを目的とするものです。
「マンション再生基本法(仮称)制定への提言」の詳細はこちらから
◆国交省採択事業 全管連主催「やってみよう自分たちのマンション管理」
マンション管理セミナー&相談会及び相談アドバイザー向け研修会の各地開催日程決まる
国交省「マンション等安心居住推進事業(相談体制の整備等に係る事業)」採択事業として全管連が取り組んでいるマンション管理セミナー&相談会と相談アドバイザーを対象とする研修会が、10月30日に開催された全管連企画運営委員会において、次のような日程により全国各地で開催されることが決まりました。
いずれも全管連主催で地元団体が共催します。多数の皆様のご来場をお待ちしています。
テーマ | 担当 |
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大規模修繕工事及び各種改良工事 | 一級建築士 藤田 政弘 |
区分所有法、 マンション管理適正化法、管理規約 |
マンション管理士 江上八十一 マンション管理士 小林 利生 |
「管理委託契約」及びトラブル対策 ~委託管理の海底事項を中心に~ |
マンション管理業務主任者 遠山 正一 |
マンションにおける地デジ対策 ~2011年地デジ移行の円滑化に向けて~ |
総務省デジサポ広島部長 藤井 紘司 |
「相談アドバイザーの基本学習(聞く姿勢)と相談対応力のパワーアップ」研修会
「自分たちのマンション管理」を実現していくために、管理組合と一緒に考え、管理組合と一緒に答を出していくことのできる相談アドバイザーを目ざした研修を行ないます。研修はゼミ形式で行い、講師の話を受けて受講者からも意見を出す形で進めていきます。
2009年12月11日(金)13:00~17:00
2009年12月12日(土)9:30~16:30
◆第59回全管連代表者会議が開かれる
10月19日に横浜市開港記念会館で開かれた第59回代表者会議には、すべての全管連加盟団体が出席して、今年度活動方針や国交省採択事業の取組みなどについて、熱心な討議が行なわれました。その結果、主な取組みとして次のようなことが決定されました。
横浜市開港記念会館で開催された第59回代表者会議
穐山精吾会長を委員長とし山本育三神管ネット副会長などが委員に就任し、省エネ・再生に取り組む中でマンションの長寿命化を目指す。
NPO法人沖縄県マンション管理組合連合会が、第59回代表者会議において、これまでの準会員から正会員になることが全会一致で承認された。今夏の浦添市のマンション崩落や管理会社の不祥事など問題が跡を絶たない沖縄ですが、こうした中で沖管連の一層の奮闘が期待されています。