団体紹介

設立宣言

日本の主要都市に「マンション」と呼ばれる集合住宅が出現するようになって、既に20年近くの歳月が経過した。その間、わが国経済の動向とともに都市への人口集中と、その受け皿となるべく集合住宅の建設が営々と続けられてきた。ところが、この集合住宅に住まうことになった私達はそこで実に様々な予期せぬ出来事に遭遇することになった。

いま、全国に140万戸のマンションがあると言われている。しかし、この巨大な建築群を快適な住まいとして維持管理していくための具体的な計画・手法などは、奇妙なことに長い間、分譲会社からも管理会社からもまして行政からも示されてこなかった。実は、私達の多くが、巨大なマンション建築物を目の前にして、その維持管理を居住者である自分達で全てやらなければならないことに気付くのは、入居して後のことだったのである。それぞれの管理組合は指導もマニュアルもない中で乏しい知識を駆使しながら文字どおり手探りの状態で業務を行わざるをえず、数多くのトラブルも発生した。

1980年を前後して、わが国の主要都市において、相次いで管理組合の連合組織が生まれてきた。その背景には、集合住宅の維持管理とそこでの共同生活に関して、わが国ではほとんど蓄積がなかったという事実がある。自らのマンションを自らの力で良くしていくという主体的な住民の姿勢は、地域における管理組合の横のつながりと、専門家との協力関係を生み出していった。そして、ここで活発な情報交換と様々な経験交流が繰り広げられ、一方では専門家と協力して集合住宅の維持管理や共同生活の場としての住民自治のあり方が研究されていった。地域における管理組合団体のこのような活動は大きな成果を生み出し、特に大規模修繕工事に関する啓蒙活動や瑕疵問題に現れてきた建物の欠陥については業者や行政の姿勢を改めさせることに貢献してきた。

長い間、都市住宅の主流とも言えるマンションの問題を放置してきた政府は、4年ほど前からようやく重い腰をあげて動き始めた。1983年の区分所有法改正がそれである。そして1985年には建設省の肝入りでマンション管理センターが設立されるのである。こうした国によるマンション施策が矢継ぎばやに打ち出されるに及んで、私達は大きな失望を味わった。それは、マンションに住む私達の声がこうした国の施策に届いていないことを知らされたからである。

私達はマンションの粗大ゴミ論やスラム化論などセンセーショナルな危機意識の扇動には決してくみしない。都市において、いま私達は集合住宅とそれを取り巻く住環境を育てている。それはゆっくりとではあるが確実に人が快適に暮らしていく方向に向かっている。マンションは集合して人が生活していくことで、市民社会の新しい要素となり始めている。そこでは集会が行われ、人々が意見を述べ、議論をたたかわせ合意が形成されていく。そして、そこで決まったことは誰かに依頼するのではなく、自分達が実行していく、たとえ何億円という工事であっても自分達が行う、そういう民主的なコミュニティーがマンションで育ってきているのである。

1986年4月20日、全国7管理組合団体、564管理組合、121,724戸のマンション居住者はお互いに手をつなぎ、経験を深め合いながら社会に向かって発言していくシステムを持つこととし、ここに全国マンション管理組合団体連絡会議準備会を結成することを宣言する。

準備会は結成にあたり今後更に広範な管理組合団体の参加を促し、真に全国的な連絡会議へと成長させることを決意している。

1986年4月20日
全国マンション管理組合団体連絡会準備会
設立総会参加者一同

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